2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

EPA についてもっと知ろう(1)。

EPA についてもっと知ろう 本日のテーマ 「経過規定」と「特恵・関税還付申請」について ■経過規定とは 各国の国内法によって、EPA・FTA 発効の際の具体的な取り扱いを定めた規定のこと。 (日本の例) 特恵税率の適用には、貨物の到着よりも、輸入申告を行…

免税コンテナーに係る税関手続について。

免税コンテナーに係る税関手続について 本日のテーマ 「免税コンテナーの取り扱い手続き」を知る。 概要 貨物を詰めて輸入された後に再輸出されるコンテナー、又は空で輸入された後に貨物を詰めて再輸出されるコンテナーについては、輸入する際の関税及び消…

救援物資の輸入について。

救援物資の輸入について 本日のテーマ 「救援物資の輸入方法」を知る。 ポイント 新型コロナウイルス感染症対策に係る救援物資やライフラインを確保するための水・燃料など、緊急に通関を行う必要のある物品の輸出入通関については、優先して通関を行うこと…

日EU・EPA 法人番号登録について。

日EU・EPA 法人番号登録について 先日税関HPに掲載されていた内容です。 国税庁法人番号公表サイトへの英語表記登録に関して 輸出者自己申告を利用してEUへ輸出する者は、以下に掲載する国税庁法人番号公表サイトから英語表記の登録を行うこと。 国税庁法人…

別送品手続きについて。

別送品手続きについて 本日のテーマ 「別送品」を送るには? 外国から品物を送るとき 必ず品物の外装、税関告知書、送り状などに「別送品」と明確に表示。 入国(帰国)者本人を名宛人とする。 土産品店、小売店などに依頼して送る場合には、「別送品(Unacc…

税率決定までの流れ(2)。

税率決定までの流れ 本日のテーマ 「HSコード」の構成とは? HS条約とは 「International Convention on the Harmonized Commodity Description and Coding System(商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約)」のこと。 1988年1月発効、…

税率決定までの流れ(1)。

税率決定までの流れ 本日のテーマ 「税率決定」における貨物の"種類”と”原産地”とは。 関税とは 輸入貨物に課せられる税のこと。 税率は貨物の種類、原産地によって異なる。 税率が決まるまでの流れ 1.各品目がどこに分類されるかを決定する。 物品の所属は…

TPP11 について(2)。

TPP11 について 本記事のテーマ 「"原産地規則"と"原産地の証明"、”書類の保存”について」 原産地規則 他FTA同様、以下いずれかを満たす産品を、原産品として認定。 完全生産品 原産材料からのみ生産される産品 非原材料を使用し、附属書の品目別規則(PSR:P…

TPP11 について(1)。

TPP11 について 本記事のテーマ 「TPP11 を知る。」 TPP11 とは アジア太平洋地域においてモノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、知的財産、金融サービス、電子商取引、国有企業の規律など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築する経済連携…

食品 原料原産地表示制度について。

食品 原料原産地表示制度について 本記事のテーマ 「原料原産地表示制度」とは何か。 原料原産地表示制度とは 加工食品の原料に使われた一次産品 (農畜水産物)の原産地に関する表示のこと(加工食品・・野菜や精肉、鮮魚を始めとする生鮮食品などを原料と…

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)について(3)。

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)について 本記事のテーマ 「化審法の輸入手続き」を理解する(2)。 各種輸入手続きについて 第一種特定化学物質 (ヒト等への長期毒性(難分解性・高蓄積性)があり、その製造・輸入について事前の許…

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)について(2)。

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)について 本記事のテーマ 「化審法の輸入手続き」を理解する(1)。 新規化学物質の輸入手続き 新規化学物質 官報で名称が公示されていない、もしくは政令で指定されていない化学物質のこと。 あらか…

高圧ガス保安法について。

高圧ガス保安法について ー エアゾール製品等(スプレー缶、ライター等)の輸入取り扱い ■エアゾール製品とは 気化した液化ガスまたは圧縮ガスの圧力によって、内容物を容器の外に自力で霧状や泡状などにして放出させる製品のこと。 例)液化ガス(エアゾー…

米国の関税制度について(4)。

■その他 関税の払戻し 貨物を米国から再輸出した場合、輸入した際に支払った関税、内国消費税の99%を、原則として輸入者からの申請に基づき払い戻す制度。 アンチダンピング税や相殺関税は対象外。 <適用対象> 1.同一状態での再輸出および破棄貨物 3年以…

米国の関税制度について(3)。

■関連法 税関近代化法 増え続ける通関申告への対応として、税関と輸入者双方がコンプライアンス確保の共同責任を負うことを定めたもの。 -対税関当局 「インフォームド・コンプライアンス」として、輸入者が適切な通関申告をできるような情報の提供および指…

米国の関税制度について(2)。

■品目分類 商品の名称および分類についての統一システムに基づく「HSコード」により分類。 概要 連邦政府機関の国際貿易委員会(International Trade Commission:USITC)では、従来の複雑な関税制度を簡素化したHTS(Harmonized Tariff Schedule)と呼ばれ…

米国の関税制度について(1)。

米国の関税制度について ■関税体系 一般税率(NTR税率) 特別税率(FTA、GSPなど特恵税率) 法定税率(特定2ヵ国に対する税率) の3本立て。 ■関税システム 1930年の関税法(Tariff Act of 1930)が基本、連邦法のタイトル19「関税(Customs Duties)」とし…

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)について(1)。

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)について 本記事のテーマ 「化審法」を知る。 化審法とは 人の健康を損なうおそれ、又は動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止することを目的とする法律のこと…

航空 危険品取り扱いについて(2)。

航空 危険品取り扱いについて 本記事のテーマ 「危険品の判断方法」と「輸送時の注意」について。 危険品かどうかを判断するには SDS(Safety Data Sheet:安全データシート)を確認する。 SDSとは、製造者が作成する製品の成分や取扱に関する情報を記載した…

航空 危険品取り扱いについて(1)。

航空 危険品取り扱いについて 本記事のテーマ 「航空貨物の危険品とは何か、を知る。」 航空危険物とは 国連が定める物質の危険性に基づく9分類のうち、1つ以上の基準に合致する物質と定義されている。 9分類は、危険物の危険性の種類により、等級は危険性の…

Known Shipper / Regulated Agent 制度について。

Known Shipper / Regulated Agent 制度について 本記事のテーマ 「Known Shipper / Regulated Agent 制度」を理解する。 Known Shipper / Regulated Agent 制度とは Known Shipper(KS) = 国土交通省から保安管理ができていると認定を受けた特定荷主 Regul…

原産地規則について(5)。

原産地規則について 本記事のテーマ 「付加価値基準」について深掘り。 「付加価値基準とは、産品を構成する材料の原産国が明らかでない場合において、その産品のうち”原産性があると認められる部分(原産資格)”を価格換算し、その価格割合が一定の基準を超…

IATA、ICAOについて。

IATA、ICAOについて 本記事のテーマ 「IATA」と「ICAO」を理解する。 ■IATA(International Air Transport Association)-国際航空運送協会 本部:モントリオール メンバー:ICAO加盟国の国際定期航空会社 日本では、日本航空、全日本空輸、日本貨物航空の3…

安全保障貿易管理について(7)。

安全保障貿易管理について 本日のテーマ 「該非判定」とは。 該非判定とは 貨物を輸出または技術を提供する際に、経済産業大臣による安全保障貿易管理上の輸出許可が必要かどうかを確認すること。 =貨物または技術が、「輸出貿易管理令別表第1」または「外…

安全保障貿易管理について(6)。

安全保障貿易管理について 本日のテーマ 「客観要件」と「インフォーム要件」について 概要 大量破壊兵器キャッチオールと通常兵器キャッチオールの2種類からなる「キャッチオール規制」を構成する要件を、「客観要件」と「インフォーム要件」という。 客観…

安全保障貿易管理について(5)。

安全保障貿易管理について 本日のテーマ 「リスト規制」と「キャッチオール規制」について(補足)。 ポイント 貨物の輸出や技術の提供を行う際は、リスト規制とキャッチオール規制の両方の観点から確認を行う必要がある。 リスト規制とは 輸出しようとする…

安全保障貿易管理について(4)。

安全保障貿易管理について 本日のテーマ 「国際レジーム」、「輸出と技術提供」について 国際レジームとは 安全保障貿易管理に係わる国際的な枠組みのこと。国際条約と国際輸出管理レジームがある。 各国が協力し、安全保障貿易管理に関する取り決めを行って…

医薬品等の輸入手続きについて(医療従事者による輸入)。

医薬品等の輸入手続きについて 本記事のテーマ 「医療従事者が治療に用いる為に医薬品等を輸入する場合の手続き」 ■そもそも業として医薬品等を輸入するには? 医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の規定…

原産地規則について(4)。

実質的変更基準の例外 本記事のテーマ 「実質的変更基準の例外」を理解しよう。 「実質的変更基準の例外」とは、原産地判定に用いられる"実質的変更基準"を満たすことができず原産国と認められない産品に対し、救済的な規定を以て、原産国と認めるとする規則…

安全保障貿易管理について(3)。

安全保障貿易管理について 本日のテーマ 「仲介貿易取引規制」、「罰則」と「行政政策」 ■仲介貿易取引規制 外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買に関する取引につき、以下の場合は、事前に経済産業大臣の許可が必要。 仲介貿易取引規制は、外為法第25条…