2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

安全保障貿易管理について(1)。

安全保障貿易管理について 本記事のテーマ 「安全保障貿易管理」とは。 安全保障貿易管理とは 輸出規制を行うこと。 国際社会の平和と安全を維持するため、武器や軍事用に使用可能な技術や製品が、大量破壊兵器を開発する国家やテロリストに渡らないようにす…

知的財産侵害物品について(2)。

知的財産侵害物品について 過去記事。↓ kxxr.hatenablog.com 概要 知的財産侵害物品は、輸出及び輸入してはならない貨物と定められている。 以下のうち、回路配置利用権以外は輸出取締りの対象にもなっている。 (輸入差し止め) 特許権、実用新案権、意匠権…

日米貿易協定について(2)。

日米貿易協定について 前回記事(概要)↓ kxxr.hatenablog.com 本記事では、その他ポイントとなる事項をまとめます。 ■関税譲許される品目 輸入時に関税譲許される品目は、第1類から第3823.70号までの限定された品目。 ■原産地規則 原則、"CC"(類,2桁変更)…

日・ASEAN包括的経済連携協定。

日・ASEAN包括的経済連携協定 概要 2008年12月発効(2018年3月に、唯一未発効であったインドネシアについても発効) HS2002に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 構成国10ヵ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャン…

原産地規則について(3)。

原産地規則について 本記事のテーマ 「「実質的変更基準」を理解しよう。」 「実質的変更基準」とは、"非原産材料"または"材料の原産国が確認できないもの"を使用して製造された産品が、当該締約国を原産国として認めるに十分な加工が行われているかを判断す…

日・モンゴル経済連携協定。

日・モンゴル経済連携協定 概要 2016年6月発効 HS2012に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 往復貿易額の約96%を協定発効後10年間で関税撤廃 日→モンゴル輸出額の約96%が無税 モンゴル→日輸入額の約100%が無税 原産地規則 品目別分類規則(1. …

日・メキシコ経済連携協定。

日・メキシコ経済連携協定 概要 2005年4月発効 HS2002に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 両国間の往復貿易額の約97%の関税が、10年以内撤廃。 日→メキシコ輸出額の約98%が無税 メキシコ→日輸入額の約87%が無税 原産地規則 品目別分類規則(…

日・マレーシア経済連携協定。

日・マレーシア経済連携協定 概要 2006年7月発効 HS2002に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 往復貿易額の約97%で関税撤廃 日本→マレーシア輸出額の99%が無税に マレーシア→日本輸出額の94%が無税に 原産地規則 品目別分類規則(1. 完全生産…

日・ペルー経済連携協定。

日・ペルー経済連携協定 概要 2012年3月発効 HS2007に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 往復貿易額の約99%以上を協定発効後10年間で関税撤廃 日本→ペルー輸出額の99%が無税に ペルー→日本輸出額の99%が無税に 原産地規則 品目別分類規則(1.…

日・ベトナム経済連携協定。

日・ベトナム経済連携協定 概要 2009年10月発効 HS2007に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 往復貿易額の約92%を協定発効後10年間で関税撤廃 日本→ベトナム輸出額の88%が無税に ベトナム→日本輸出額の95%が無税に 原産地規則 他の項の材料か…

日・ブルネイ経済連携協定。

日・ブルネイ経済連携協定 概要 2008年7月発効 HS2007に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 往復貿易額の約99.9%を10年以内に関税撤廃 日本→ブルネイ輸出額の99.94%が無税に ブルネイ→日本輸出額の99.99%が無税に 原産地規則 品目別分類規則(1…

日・フィリピン経済連携協定。

日・フィリピン経済連携協定 概要 2008年12月発効 HS2007に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から6ヵ月間、又は輸入国の法令に基づくこれより長い期間(=1年間と規定) 往復貿易額の約94%を関税撤廃 日本→フィリピン輸出額の97%が無税に フィリピン→日…

原産地規則について(2)。

原産地規則について 本記事のテーマ 「「一般ルール」と「品目別分類規則」を理解しよう。」 「一般ルール」「品目別分類規則」とは、原産地判定に用いられる"実質的変更基準"において、前提となる規則のこと。 EPA特恵税率を適用するには 特定の国からの貨…

原産地規則について(1)。

原産地規則について 「本記事のテーマ」 「「原産地基準」って何?」 「原産地基準」とは、特定の国から輸出される貨物が、その国を原産国とするか否かを確認する基準のこと。 EPA特恵税率を適用するには 特定の国からの貨物につき、EPA税率を適用して輸入申…

日・チリ経済連携協定。

日・チリ経済連携協定 概要 2007年9月発効 HS2007に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 往復貿易額の約92%を10年以内に関税撤廃 日本→チリ輸出額の99.8%が無税に チリ→日本輸出額の90.5%が無税に 原産地規則 品目別分類規則(1. 完全生産品基準…

仕事。

とても大事なことを学んだので、言葉に残しておこう。 私はやはり、今のこの仕事がとても好きなのだ。 人間とは複雑で、他の動物とは異なり”モチベーション”なる 感情を持っている。 感情のコントロールはやはり難しく、何かをきっかけに それは簡単に浮き沈…

日・タイ経済連携協定。

日・タイ経済連携協定 概要 2007年11月発効 HS2007に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 日→タイ輸出額の約97%が無税 タイ→日輸入額の約92%が無税 原産地規則 品目別分類規則(1. 完全生産品基準(Wholly Obtained)、2. 付加価値基準(Value A…

日本・スイス経済連携協定。

日本・スイス経済連携協定 概要 2009年9月発効 HS2007に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 往復貿易額の99%以上を占める物品の関税を発効10年以内に撤廃 原産地規則 一般ルールを採用(関税分類変更基準(項:4桁レベルの変更)及び40%の付加価…

日・シンガポール経済連携協定。

日・シンガポール経済連携協定 概要 2002年11月発効 HS2002に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 日本からシンガポールへの輸出にかかる関税は全て撤廃 シンガポールから日本への輸入も約94%は関税率ゼロ 原産地規則 品目別分類規則((1. 完全…

日・オーストラリア経済連携協定。

日・オーストラリア経済連携協定 概要 2015年1月発効 HS2012に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 往復貿易額の約95%を、協定発効後10年間で関税撤廃 原産地規則 品目別分類規則((1. 完全生産品基準(Wholly Obtained)、2. 付加価値基準(Valu…

日・インドネシア経済連携協定。

日・インドネシア経済連携協定 概要 2008年7月発効 HS2002に従う 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 重要なエネルギー供給国(液化天然ガス(LNG)では最大の供給国) 原産地規則 品目別分類規則((1. 完全生産品基準(Wholly Obtained)、2. 付加価…

ポジティブリスト制度について。

ポジティブリスト制度について 食品衛生法関連です。 概要 平成30年6月13日に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律により、ポジティブリスト制度を導入することが決定。 食品用器具、容器包装の安全性や起債の国際整合性の確保の為、規格が定まってい…

日本・インド包括的経済連携協定。

日本・インド包括的経済連携協定 概要 2011年8月発効 HS2007に従う 原産地証明書遡及発給:船積日から9ヵ月間可能 原産地証明書有効期間:発給の日から1年間 往復貿易額の約94%を協定発効後10年間で関税撤廃 インド:日本からの輸入の約90%を10年間で無税…

ロイヤルティについて。

ロイヤルティについて ロイヤルティとは何か? 特許等使用の対価のこと。 特定の権利を利用する利用者が、権利を持つ者に支払う対価のことで、主に特許権、商標権、著作権などの知的財産権の利用に対する対価をいう。 課税価格に算入される要件 「輸入貨物に…

値引きについて。

値引きについて 現実支払価格(輸入取引の実際の決済条件に対応する実際に支払われる価格)を課税価格として輸入申告を行いますが、値引きが与えられている場合の取り扱いは、その値引きの内容により異なります。 以下で見ていきます。 (値引き後を課税価格…

評価申告についてまとめ。

評価申告の種類について 関税評価とは WTO(世界貿易機関)の関税評価協定に基づいて規定されており、WTOに加盟している国では、日本同様に「関税評価」が行なわれる。 輸入港までの運賃と保険料については、各国の法律で、課税価格に含めるかどうかを決めて…

加工又は修繕のため輸出された貨物の減税について。

加工又は修繕のため輸出された貨物の減税について 概要 関税定率法第11条 加工又は修繕のため本邦から輸出され、その輸出の許可の日から1年(1年を超えることがやむを得ないと認められる理由がある場合において、政令で定めるところにより税関長の承認を受け…

違約品等の再輸出又は廃棄の場合の戻し税について。

違約品等の再輸出又は廃棄の場合の戻し税について 概要 関税を納付して輸入された貨物が、輸入者の責とはいえない事情が発生したことによりこれを再輸出又は廃棄した場合、関税を払い戻しできるとするもの。 関税定率法第20条 関税を納付して輸入された貨物…

英国のEU離脱後、日EU・EPAについて。

英国のEU離脱後、日EU・EPAについて kxxr.hatenablog.com ポイント 英国・EU間で離脱協定が締結され、2020年1月31日を以て英国はEUから離脱。 離脱協定に基づき、離脱後一定の期間、「移行期間」が設けられる。 「移行期間」は、2020年12月31日までと規定。 …

再輸出減税について。

再輸出減税について 概要 長期の耐用年数をもち、通常の輸入形態が貸借契約等により我が国で一時的に使用された後再輸出されるものにつき、国内で使用された価値を除く再輸出分に相当する関税を軽減するもの。 関税定率法第18条 長期間にわたって使用するこ…