米国の関税制度について(2)。

 

■品目分類

商品の名称および分類についての統一システムに基づく「HSコード」により分類。

 

概要
  • 連邦政府機関の国際貿易委員会International Trade Commission:USITC)では、従来の複雑な関税制度を簡素化したHTSHarmonized Tariff Scheduleと呼ばれる国際統一関税システムを米国に適用するために、HTSAHarmonized Tariff Schedule of the United States Annotatedを編纂。
  • HTSAにて、品目分類とそれぞれの品目説明、一般税率、輸入量・個数制限、特別税の有無および税率、その他の留意事項を公表。
  • 関税一覧の細目を策定するのは国際貿易委員会(USITC)だが、現場での裁量権国土安全保障省傘下の税関国境保護局(CBP)に帰属する。

 

分類番号
1.仕組み
  • 2005年からのHTSでは、従来6桁だった基本品目分類番号を4桁に変更
  • 4桁の番号の後に、詳細分類ごとの2桁と4桁の拡張コードで品目種類を規定する
 例)HTS第15章72節SECTION 15 Chapter 72
  「銑鉄」の基本品目分類コード:「7201」
   銑鉄(合金):「7201.50」
   鏡鉄(マグネシウムとの合金):「7201.50.3000」
  • HTSには、第1章Live Animals;Animal Products1~5節、第2章Vegetable Products6~14節と続き、全22章にわたり、すべての品目がコードごとに列挙されている
 
2.コード表

米国関税率表:USITC "United States Harmonized Tariff Schedule"

任意の品目の税率は、USITC "USITC Tariff Database" で検索できる。

 

 

■関税の種類

 品目により従価税、従量税あるいは併用税となる。

 

 

■課税基準

輸入量と輸入価格(FOB価格)を基準に課税。

 

課税方法
1.輸入貨物の輸入量(重量、体積、あるいは個数)と輸入価格(FOB価格)を基準に、輸入者が関税率表に基づき自己申告で納税。
   品目によって、従量課税、従価課税、あるいは併用課税が適用される。
 
2.FOB価格がUS$以外の外国通貨建ての場合、船荷証券記載の輸出日時点の公定換算レート(四半期ごとに発表)を使用するよう規定される。
   特殊関税としてアンチダンピング関税や相殺関税があり、商務省の決定に基づき、その都度定められた関税率を適用(毎年1月1日付で改訂)。
 
3.輸入時に輸入者が納入する関税は、予定納税(Estimate Duty)。
   1年以内(通常は4ヵ月以内)に税関から通知される確定関税との差異があれば、この差額分が徴収もしくは還付される。
   これを関税清算Liquidation)と言い、この決定に不服を申し立てることも可能。

 

 

■対日輸入適用税率

日本からの輸入品に適用する関税率は、「一般税率」が適用される。

 

  • 米国内の産業から調査要請や抗議が持ち込まれた場合は、必要に応じて国際貿易委員会(USITC)や税関国境保護局(CBP)、通商代表部(USTR)、商務省が調査に乗り出すことがある。
  • 調査中の税関通告Customs Rulingは、CBPのウェブサイトにある関税判定オンライン・サーチで検索が可能。

   関税判定オンラインリサーチ:CBP "About the Customs Rulings Online Search System (CROSS)"

 

 

 

参考資料

関税制度 | 米国 - 北米 - 国・地域別に見る - ジェトロ

 

 

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