TPP11 について(1)。

TPP11 について

 

本記事のテーマ

「TPP11 を知る。」

 

TPP11 とは
  • アジア太平洋地域においてモノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、知的財産、金融サービス、電子商取引、国有企業の規律など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築する経済連携協定のこと。

 

TPP11 加盟国

 

初めてEPAを締結する国

 

原産地の決定
  • 「国原産」ではなく「協定原産」の考え方に基づくもの。
  • 国別に異なる税率を譲許している(=”税率差”が発生する)品目については、どの締約国の関税率を適用するかを決定するルール(=税率適用国決定ルール)が必要。
  • 税率適用国決定ルールは、全締約国に共通のルールが定められているが、その上で、日本は税率差の大きい(3%超)品目について、別途のルールを設けている。

 

税率差ルールの構成
  • 各国共通ルール(附属書2-D第A節)
  • 最終生産工程が行われた締約国の税率を適用する(※”軽微な作業”と呼ばれる最低限の作業は除く)
  • 輸入者の選択により、すべてのTPP締約国若しくは生産に関与したTPP締約国の中の最も高い税率を適用することも可能。
  • 国別のルール(日本は、税率差が3%超の品目等に適用)(附属書2-D付録C)
  • 税率差が3%を超える品目等として協定(附属書2-D付録C)に掲げるものについて、どの締約国の関税率を適用するかを決定するルールを規定。

 

国別のルール(日本の場合)

1.税率差が3%以下の場合

  • 「軽微な作業」を超える最後の生産工程が行われた国の税率を適用。
  • 輸入者が希望する場合、生産に関与した国のうち最も高い税率を適用することも可能。

  (注)「ラベル貼り」は、「軽微な作業」を超えるものではない。

 

2.税率差が3%超の場合(非原産材料あり)

  • TPP域外からの非原産材料を使用している場合、主要な関税分類変更が行われた国の税率を適用。

  (注)TPP原産地規則で定められた関税分類の番号変更による。

 

3.税率差が3%超の場合(完全生産品)

  • TPP域内での完全生産品の場合、生産に関与した国のうち、付加価値が最大の国の税率を適用。
  • 輸入者が希望する場合、生産に関与した国のうち最も高い税率を適用することも可能。

 

セーフガードとは
  • 対象品目に掲げる原産品の輸入数量が発動水準を超える場合、セーフガード措置をとることができるとするもの。

  ※参照(p11~)

 

輸入後のTPP特恵税率の要求
  • 輸入時に貨物がTPP税率の適用を受ける資格があったにもかかわらず、輸入者が輸入時にその適用を要求しなかったときは、輸入から原則1年以内であれば、当該輸入者が輸入後にTPP税率の適用を要求し、超過して支払った関税の還付を申請することが可能!(TPP協定第3・29条)

  ※参考:日EUEPAではそのような還付制度が認められていない。

 

 

参考資料

TPP11 について:経済産業省

経済連携協定(FTA/EPA) (関税・税関関係) : 税関

経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)|外務省

TPP11 の概要について:ジェトロ

TPP11 解説書:ジェトロ

TPP11と日EU・EPAの原産地証明制度の相違点:ジェトロ

 

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