航空 危険品取り扱いについて(1)。

航空 危険品取り扱いについて

 

本記事のテーマ

航空貨物の危険品とは何か、を知る。

 

航空危険物とは
  • 国連が定める物質の危険性に基づく9分類のうち、1つ以上の基準に合致する物質と定義されている。
  • 9分類は、危険物の危険性の種類により、等級は危険性の度合いにより定められる。
  • 航空危険物規則書(IATA Dangerous Goods Regulations):第3章 - 分類(CLASSIFICATION)の項を参照。

 

分類 (CLASSIFICATION)

第1分類 火薬類

①火薬類の物質及び物品

②爆発効果または火工の効果を生じさせる目的で製造されたもの

第2分類 ガス類

①50℃で蒸気圧 300kPaを超えるもの

②標準大気圧 101.3kPa、温度 20℃において完全にガス状になるもの
 
第3分類 引火性液体

密閉式引火点測定で 60℃以下、もしく開放式引火点測定装置で 65.6℃のもの 

第4分類 可燃性固体、自然発火性物質、水と接触すると引火性ガスを発する物質

①可燃性固体:固体物質で通常の輸送中の条件下で容易に燃焼し、摩擦により火災を起こしたり、助長したりするもの。自己反応性物質で強い発熱反応を生じやすいもの。

(十分に希釈されていない場合には爆発する可能性のある鈍性化火薬類が含まれる。)

②自然発火性物質:自然発火を起こしやすい物質、または通常の輸送中の条件下で自然発熱しやすい物質、または空気と接触して発熱し、着火しやすくなる物質。

③水と接触すると引火性ガスを発生する物質:水と接触すると引火性気体を発する物質(水と接触すると危険=Dangerous when wet)、 水との相互作用によって自然発火しやすい物質、または危険な量の引火性ガスを発生しやすい物質。

 

第5分類 酸化性物質および有機過酸化物

①酸化性物質: それ自体は必ずしも可燃性ではないが、一般に酸素を発生して他の物質の燃焼を引き起こしたり、燃焼を助長する物質。

有機過酸化物:有機物で2価の-O-O-構造を持っており、過酸化水素の誘導体と考えられ、その水素原子の1個または2個を有機の基で置き換えられている物質。
 
第6分類 毒物および病毒を移しやすい物質

①毒物とは、飲み込んだり、吸入したり、または皮膚への接触により、死亡、傷害をもたらしたり、あるいは人の健康を害するような物質。

②病毒を移しやすい物質:病原体を含んでいると判明している物質または病原体を含んでいると合理的に推定される物質。
 
第7分類 放射性物質

輸送する貨物の放射能濃度および総放射能量が規定した値を超える放射性核種を含んだ物質。
 
第8分類 腐食性物質

生物の組織に触れた場合、化学反応によって過酷な損傷を生じさせるもの。または、漏洩した場合、他の品物あるいは輸送手段に著しく損害を引き起こしたり、 または破壊してしまうこともある物質。
 
第9分類 環境有害物質を含むその他の有害物質及び物品

航空輸送中において、他の分類の危険性以外の危険性を有する物品および物質。

 

危険品に該当する場合
  • 適切な梱包がされていれば、受諾される品目はある。
  • 旅客機には搭載禁止でも、貨物専用機では可能なものもある。
  • 危険品目の具体的詳細は、IATA危険物規則書に分類されており、規定されているすべての要件を満たさないと搭載できない。
  • 荷送人は危険物申告書(Shipper's Declaration for Dangerous Goods)に署名し、貨物とともに航空会社に提出する。(2部必要。1部:運航者が保持。1部:貨物と共に目的地に送付)
  • 荷送人はIATA危険物規則書に従って、表示、梱包、マーキングをして適切な危険物ラベルを貼る。
  • 危険物の運送には、危険物貨物取扱手数料(Dangerous Goods Handling Fee)が加算される(※仕向け国別、梱包、航空運送状毎に金額は異なる)

 

用語

CAO:Cargo Aircraft Only(貨物専用機のみ)

 

 

参考資料

航空貨物として輸送できないもの、特別な条件が付くもの - ジェトロ

IATA - Dangerous Goods Regulations (DGR)

JACIS | 一般社団法人 航空危険物安全輸送協会

 

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