2019-01-01から1年間の記事一覧

関税・消費税等の納税方法について(3)。

リアルタイム口座 ダイレクト方式の概要 ■対象となる手続 対象となる税関手続は、輸入貨物に係る輸入(納税)申告、修正申告、外国貿易船の入港に係るとん税等の納付申告 ■利用申込手続(口座振替契約) 事前に、利用者、輸出入・港湾関連情報処理センター株…

関税・消費税等の納税方法について(2)。

マルチペイメント(MPN)について 延納による納税方法を以下でまとめています。↓ kxxr.hatenablog.com 今回はその中の「マルチペイメント(MPN)」 についてまとめます。 マルチペイメントネットワーク 官公庁、地方公共団体及び民間企業等の収納機関と、金…

関税・消費税等の納税方法について(1)。

関税・消費税の延納手続きについて 概要 延納対象となる税は、関税、消費税、地方消費税 納期限の延長は3ヵ月以内まで、納税額相当の担保の提供が条件 申請は輸入者自身または代理人としての通関業者のいずれでも可 酒税、たばこ税、たばこ特別税は別途手続…

税関検査について。

税関検査について 目的 社会悪物品の流入を阻止 貿易の秩序を維持 関税等の適正な徴収等を確保 検査時のポイント 以下観点より、輸入申告の内容と現品との同一性の確認が行われる。 輸入が禁じられている物品(社会悪物品(覚醒剤・麻薬、拳銃等)や知的財産…

インコタームズ2020(再)。

インコタームズ2020 2020年1月1日より、貿易取引の売買契約の条件を定めたインコタームズが10年ぶりに改訂、「インコタームズ2020」として国際商業会議所(ICC)から発効されるのでおさらいです。 以下記事参照。↓ kxxr.hatenablog.com インコタームズ2020の…

植物防疫法に基づく輸入規制について(2)。

植物防疫法に基づく輸入規制について 先日以下記事をまとめたところ、↓ kxxr.hatenablog.com タイムリーに面白い関連記事がジェトロさんに 挙がってきたので今回はそれについて。 日本産リンゴの輸入条件緩和、ベトナム産ライチの対日輸出は解禁(ベトナム)…

家畜伝染病予防法に基づく輸入規制について。

家畜伝染病予防法に基づく輸入規制について 概要 家畜伝染病予防法とは、輸入貨物のうち検疫を受けなければならないもの、輸入が禁止されているものを定め、家畜の伝染性疾病の発生の予防とまん延の防止により、畜産の振興を図ることを目的とする法律のこと…

医薬品・化粧品等の輸入について。

医薬品・化粧品等の輸入について 概要 医薬品医療機器等法の規定により、医薬品・医薬部外品・化粧品及び医療機器等は、厚生労働大臣の輸入販売業の許可を受けた者でなければ、業として輸入してはならないと定められている。 ※医薬部外品・・養毛剤、石けん…

植物防疫法に基づく輸入規制について。

植物防疫法に基づく輸入規制について 概要 外国から輸入される植物類は、植物防疫法の規定により植物検疫を受けることを義務付けられている。 輸入禁止地域から発送又は経由して輸入される特定の植物、昆虫、ダニ、細菌等の有害動植物、及び土又は土の付着し…

認定通関業者制度(AEO通関業者)について。

認定通関業者制度(AEO通関業者)とは 概要 貨物のセキュリティー管理とコンプライアンス(法令遵守)の体制が整備された者として、あらかじめ税関長の認定を受けた通関業者のこと 通関手続の特例措置を受けることが可能であり、輸出入貨物のリードタイム短…

AEO(認定事業者)制度について。

AEO(認定事業者)制度とは AEO(Authorized Economic Operator) 概要 貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された事業者に対し、税関が承認・認定し、税関手続の緩和・簡素化策を提供する制度のこと。 世界70以上の国・地域において導入されてい…

輸出入申告官署の自由化とは。

輸出入申告官署の自由化について 概要 貨物の輸出入申告は、貨物が蔵置されている場所を管轄する税関官署に対して行うことを原則としていたが、平成29年10月8日以降、AEO事業者(AEO輸出者、AEO輸入者、AEO通関業者)に対し、いずれの税関官署においても輸出…

関税率の種類について(2)。

特殊関税制度について 特殊関税制度とは 不公正な貿易取引や輸入の急増等の特別の事情がある場合に、貨物・供給者・供給国等を指定して、通常の関税のほかに割増関税を賦課することにより、国内産業を保護・救済するための制度の総称。 わが国だけではなく、…

関税率の種類について(1)。

関税率の種類について 関税とは 「輸入品に課される税」のこと。 法律に基づいて定められている税率(=国定税率) 1.基本税率 国内産業の状況等を踏まえた長期的な観点から、内外価格差や真に必要な保護水準を勘案して設定されている税率。 2.暫定税率 一定…

返品時における関税等の払い戻しについて(2)。

違約品等の再輸出又は廃棄する場合の戻し税の手続について 違約品等の再輸出又は廃棄の場合の戻し税制度とは 関税等を納付して輸入された貨物のうち、 下記の1~3のいずれかに該当するもので、 その輸入の時の性質及び形状に変更を加えないものを輸出又は廃…

返品時における関税等の払い戻しについて(1)。

返品時における関税等の払い戻し(郵便により返送する場合) 概要・条件 個人使用のために通信販売やネットオークションで購入し、輸入した品物が、予期していた品物と異なっていた場合で、かつ以下の条件を全て満たす場合には、その関税等の払い戻しを受け…

少額輸入貨物の簡易税率について。

少額輸入貨物の簡易税率について 概要 海外から商品を輸入する場合、個人使用の品物または贈り物であっても、原則としてその商品に対して関税が課されることとなるが、一般貨物または国際郵便物において課税価格の合計額が20万円以下の場合には、一般の関税…

特恵関税制度について(4)。

特恵原産地証明書が不要な場合とは 原産地証明書の提出なしで特恵税率を適用することができる場合 【前提条件】 インボイスに原産地の記載があり、原産国から直送されていること。 1申告の課税価格の総額が20万円以下の物品(少額特恵) 物品の種類又は形状…

特恵関税制度について(3)。

特恵原産地証明書について 原産地証明書とは 原産地証明書は、法令により定められた「一般特恵制度原産地証明書様式A」、略してGSP(Generalized System of Preferences):Form Aと呼ばれるもの。 原産地からの物品の輸出の際に、その輸出者の申告に基づき…

特恵関税制度について(2)。

特恵適用除外措置 ー 特恵関税制度の卒業基準について 全面適用除外措置(全面卒業) 特恵受益国のうち、その年度の前年までの3ヵ年の国際復興開発銀行(以下「世銀統計」)が公表する統計において、連続して以下いずれかの条件に該当する国ついては、その国…

特恵関税制度について(1)。

特恵関税制度について 概要 開発途上国(又は地域)を原産地とする特定の輸入品について、一般の関税率よりも低い税率を適用し、開発途上国(又は地域)の輸出所得の増大、工業化の促進を図り、経済発展を支援しようとするための制度。 日本の特恵関税制度は…

経済連携協定(EPA)について(5)。

品目別規則とは 概要 EPA特恵を適用するための条件である「原産品扱い」を受けるための条件のこと。 各EPA協定には、HSコード毎に採用ルールが定めされているため、CTCルール・VAルールは自分で選択することができない。 HSコード毎に定められる採用ルールが…

経済連携協定(EPA)について(4)。

EPA原産地規則について EPA原産地規則とは ある産品の原産地を特定するためのルール。 EPAの原産地規則を満たし、EPA締約国の原産とみなされた産品は、EPAによる関税の撤廃や削減を受けることができる。 他国産の産品のすり替えや迂回輸入を回避するため、全…

経済連携協定(EPA)について(3)。

EPA特恵税率適用が否認された場合のリスクとは ■特定原産品でなかったこと等の通知義務(証明法第6条) 証明書の内容に誤りがあった場合等は、特定原産地証明書の発給を受けた日から下記のそれぞれの期間を経過する日までの間に、指定発給機関(日本商工会議…

経済連携協定(EPA)について(2)。

EPAにおける通関手続きについて EPA特恵税率の適用を受けるには? 当該貨物が適用されるEPAに基づく原産品であること。 輸入貨物がEPAに基づく原産品であることを証明した原産地証明書を、輸入申告の際に提出する。 課税価格の総額が20万円以下の貨物に係る…

経済連携協定(EPA)について。

経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement) 概要 2以上の国(又は地域)の間で、自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)の要素(物品及びサービス貿易の自由化)に加え、貿易以外の分野(人の移動や投資、政府調達、二国間協力等)を含めて締…

船荷証券(Bill of Lading: B/L)のタイプについて。

船荷証券(Bill of Lading: B/L)のタイプについて 船荷証券とは 船荷証券(Bill of Lading)、通称B/L。 輸入貨物を受け取るための引換券のようなもの。 船会社がこれを発行し、輸出者が輸入者に渡す。B/Lを受け取った輸入者が、輸入港でこれと引き換えに貨…

【PA】薬事法該当における輸入手続きについて

薬事法該当における輸入手続き 先日は薬事法についての概要を まとめました。↓ kxxr.hatenablog.com 今回はその輸入手続きを見ていきます。 輸入時の規則・手続き 1.製造販売業許可について ■製造販売業許可 業として医薬品を輸入販売する場合は、「医薬品…

関税評価に係る事前教示制度について。

関税評価に係る事前教示制度について 前回の記事では、包括評価について まとめました。↓ kxxr.hatenablog.com 今回は評価関連の事前教示についてです。 事前教示とは 輸入の前に税関に対して、当該貨物の関税分類(税番)、原産地、関税評価及び減免税につ…

包括評価申告について。

包括評価申告とは 先日、評価申告についてを 以下にまとめました。↓ kxxr.hatenablog.com 今回はそのうちの「包括評価申告」についてを まとめます。 概要 納税申告の都度評価申告書を提出して行う個別申告に対し、個々の納税申告に先立って包括的に行う評価…