免税コンテナーに係る税関手続について。

免税コンテナーに係る税関手続について

 

本日のテーマ

「免税コンテナーの取り扱い手続き」を知る。

 

概要
  • 貨物を詰めて輸入された後に再輸出されるコンテナー、又は空で輸入された後に貨物を詰めて再輸出されるコンテナーについては、輸入する際の関税及び消費税を免除することとされている。
  • 昭和31年(1956年)に関係国間で締結され、日本が昭和46年に加入した「コンテナーに関する通関条約」、及び昭和46年に制定された「コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律」に基づく。

 

コンテナーの輸入申告
  • 外国から本邦に到着したコンテナーで陸揚げされたものについては、原則としてその陸揚げ後直ちに輸入者ごとに一括して輸入申告を行わせる。

実入りコンテナー(貨物が詰められているコンテナー)であって、その内蔵貨物につき保税運送の承認を受けて本邦において運送されるもの、又は陸揚げされた保税地域に当分の間引き続き蔵置されるもの等を含む。

※陸揚げされるコンテナーが大量である場合等で、全量を陸揚げ後、一括して輸入申告をすることが困難な事情があると認められる場合には、分割して輸入申告が可能。

 

コンテナーの輸入の許可
  • 当該申告の際に提出されたコンテナーリストの1部に、税関により受理印、ならびにコンテナー条約による輸入税免除の旨、及び受理官署別の一連番号が押なつされ、申告者に交付される。

 

法改正
  • 平成24年4月1日に、「関税定率法等の一部を改正する法律」(平成24年法律第19号)が施行され(以下参照)、免税コンテナーに係る税関手続が変更された。

 

 

平成24年3月まで

平成24年4月から

再輸出期間

原則3ヵ月

原則1年

空コンテナーの国内運送への使用

不可
貨物を詰めて輸入されたコンテナーである必要がある。

制限なし

国内運送の経路

制限あり
貨物の取出地から詰込地までの通常の経路である必要がある。

制限なし

国内運送の使用回数

1回に限る

制限なし

国内運送使用の事前申請

必要

不要

 出典:税関HP

 

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出典:財務省関税局

 

その他ポイント
  • 承認を受けないで国際運送の用以外の用途に供し、若しくはこれに供するため譲渡したとき、再輸出期間内に輸出しなかったときは、その免除を受けた関税が直ちに徴収される。
  • 免税コンテナー又は免税部分品を輸入した者(その輸入後に、これらの物品の譲渡、返還又は貸与がされたときは、当該譲渡、返還又は貸与を受けた者)は、政令で定めるところにより、これらの物品の管理、運用及び保管に関する事項を、帳簿に記載しなければならない。
  • 免税コンテナー又は免税部分品について管理者が変わることとなったときは、その変更前の管理者は、これらの物品の引渡しの日から5日を経過する日までに、変更後の管理者に対し、これらの物品について再輸出期間その他必要な事項を通知しなければならない。

 

 

参考資料

免税コンテナーに係る税関手続について:税関

コンテナー特例法関係(特例法基本通達):税関

TIR条約:e-Gov法令検索

法律第六十五号(昭四六・五・二二)(TIR条約):衆議院

 

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