原産地規則について(1)。
原産地規則について
「本記事のテーマ」
「「原産地基準」って何?」
「原産地基準」とは、特定の国から輸出される貨物が、その国を原産国とするか否かを確認する基準のこと。
EPA特恵税率を適用するには
特定の国からの貨物につき、EPA税率を適用して輸入申告を行う場合、その産品が特定の国を原産国とするものと認められるか否かを確認する必要がある。
仮に特定の国以外の産品が使用されている場合、ある一定の基準を満たすことで特定の国の原産品であることが認められなければ、EPA税率を適用することができない。
そこで先ずは、輸入する貨物の原産国を判断する指標、「原産地基準」とは何か、を理解する必要があります。
原産地基準とは
原産地基準は、以下3つに分類にされる。
- 完全生産品
- 原産材料のみから生産される産品
- 実質的変更基準を満たす産品(非原産材料が使用される産品)
完全生産品とは
「当該締約国で完全に得られた材料を用いて、一つの国のみで生産が行われる産品のこと」
- その生産が、1ヵ国のみで完結している。
- 材料をどこまで遡っても、当該締約国を原産国とするもの(原産材料)のみ。
原産材料のみから生産される産品とは
「当該締約国の原産材料のみから、当該締約国内で完全に生産される産品のこと」
- 原産材料・・生産に直接使用された産品のこと。1次材料ともいう。
- 2次材料、3次材料...と遡っていき、どこかに他の国の産品が含まれていたとしても、原産材料(=1次材料)が当該締約国のものであれば、原産品と認めるとするもの。(2次材料・・1次材料の材料のこと)
実質的変更基準を満たす産品とは
「非原産材料または材料の原産国を確認できないものを使用して、当該締約国で完全に生産される産品であり、”大きな変化”を伴う加工が行われ製造された産品のこと」
- 非原産材料・・生産された産品に直接使用されている材料(1次材料)で、当該締約国以外の他の国のものを指す。
- 1次材料のうち、1つでも非原産材料が含まれているもののこと。
- 大きな変化・・各EPA協定の付属書2 に定める品目別規則による。”実質的変更”ともいい、実質的変更基準は大きく3つに分類される。各協定、HSコードにより求められる変更基準は異なるが、その求められる基準を満たし、かつそれを証明することが出来れば、原産品と認められEPA税率を適用できるとするもの。
まとめ
- EPA特恵税率を適用するには、その産品が当該締約国を原産品とするものであると認められる必要がある。
- 原産国を判断する指標を「原産地基準」と呼び、その基準は大きく3つ - 「①完全生産品」、「②原産材料のみから生産される産品」、「③実質的変更基準を満たす産品」に大別される。
- 「実質的変更基準を満たす産品」においては、各EPA協定及びHSコードにより定められている実質的変更基準を満たし証明することで、当該締約国を原産品とするものと認められる。
次回記事では、実質的変更基準を理解する上で必要になる「品目別規則」について確認します。
参考資料
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