ポジティブリスト制度について。
ポジティブリスト制度について
食品衛生法関連です。
概要
- 平成30年6月13日に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律により、ポジティブリスト制度を導入することが決定。
- 食品用器具、容器包装の安全性や起債の国際整合性の確保の為、規格が定まっていない原材料を使用した器具・容器包装の販売等の禁止等を行い、安全が担保されたもののみ使用できることとする制度に改正される。
- 2003年の残留農薬等に係るポジティブリスト制度導入以来の15年ぶりの改正。
- 2020年6月までに施行予定。
食品衛生法改正の内容
- 広域におよぶ食中毒への対応
- 原則すべての事業者にHACCPに沿った衛生管理を制度化
- 特定の食品による健康被害情報の届出を義務化
- 食品用器具・食品包装にポジティブリスト制度を導入
- 営業届出制度の創設と営業許可制度の見直し
- 食品のリコール情報につき行政への報告を義務化
- 輸出入食品の安全証明の充実
改正前)
ネガティブリスト
- 原則使用を認めたうえで、使用を制限する物質を定めるとするもの。
- 海外で使用が禁止されている物質であっても、規格基準を定めない限り直ちに規制はできない。
↓
改正後)
- 原則使用を禁止したうえで、使用を認める物質を定め、安全が担保されたもののみ使用できる。
ポジティブリスト導入までの流れ
- 食をとりまく環境の変化や国際化に対応し、食品の安全を確保するため、食品衛生法を改正。
- そのうちの一つとして、食品に使用する合成樹脂製の器具・容器包装に、ポジティブリスト制度が導入されることになる。
- 従来は、器具・容器包装中に残存する、または器具・容器包装から溶け出す毒性が顕著な物質だけを規制。
- ポジティブリスト制度の導入に伴い、合成樹脂製の器具・容器包装の製造や加工において使用できる物質が、「国が安全性を評価した物質のみ」に制限されることになる。
ポジティブリスト導入の背景
- 欧州・米国・中国等、その他多くの諸外国では、ポジティブリスト制度が導入されている。
- そのため、欧米等で使用が認められていない物質であっても、現行の日本の食品衛生法の下では規制することが困難であり、日本国内で流通してしまう可能性がある。
- つまり、仮にそのような物質について、他国において有害性が疑われた場合でも、国が安全性を確認していないものについては直ちに使用を禁止することができず、健康被害を防ぐ対応が遅れてしまうことに。
- 業界団体による自主管理については安全性確保に一定の役割を果たしてきたものの、団体に加入していない事業者や輸入品については適用されておらず、安全確認の判断を事業者に委ねるとするネガティブリストのもとにおいて、食品衛生法第16条に対する取組みについては、事業者により差があるのが実状。
- こうした点を鑑み、ポジティブリスト制度の法制化が決定。
・食品衛生法第16条
「有毒若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着して人の健康を損なうおそれがある器具・容器包装であってはならない」とする。
参考資料
食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について:厚生労働省
食品用器具・容器包装におけるポジティブリスト制度の導入:日本食品分析センター
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