評価申告についてまとめ。
評価申告の種類について
関税評価とは
- WTO(世界貿易機関)の関税評価協定に基づいて規定されており、WTOに加盟している国では、日本同様に「関税評価」が行なわれる。
- 輸入港までの運賃と保険料については、各国の法律で、課税価格に含めるかどうかを決めて良いことになっている(輸入港までの運賃と保険料含めた価格(CIF)を課税価格とする国=日本、韓国等他多々。米国、カナダ、オーストラリア等は含めていない)。
評価申告の種類
- 個別評価申告:個々の輸入申告の都度行う評価申告のこと。
- 包括評価申告:個々の輸入申告に先立って、予め包括的に行う評価申告のこと。
包括評価申告とは
- 同一の内容の輸入取引が継続して行われる場合、包括評価申告書(輸入者、輸出者、課税価格の計算方法などを記載した申告書)を提出することにより、その適用期間内(原則、提出日から2年)は、個々の輸入申告時の評価申告を省略することができる。
評価申告書の様式
- 輸入貨物の課税価格の計算方法に基づき、以下の2種類より選択する。
- 評価申告書Ⅰ(C-5300号):課税価格算出の原則(取引価格ベース、関税定率法第4条第1項の規定)による場合。
- 評価申告書Ⅱ(C-5310号):上記以外の規定(関税定率法第4条の2以下)の規定により課税価格を計算する場合。
関税定率法第4条(課税価格の決定の原則)
■第4条第1項
輸入貨物の課税標準となる価格は、当該輸入貨物に係る輸入取引(買手が本邦に住所、居所、本店、支店、事務所、事業所その他これらに準ずるものを有しない者であるものを除く)がされた場合において、当該輸入取引に関し買手により売手に対し/売手のために、輸入貨物につき現実に支払われた/支払われるべき価格(輸出国において、輸出の際に軽減又は払戻しを受けるべき関税その他の公課を除くものとする)に、その含まれていない限度において運賃等の額を加えた価格とする。
■第4条の2以下
前条第1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない等で、以下によって課税価格を計算するもの。
・第4条の2 輸入貨物と同種又は類似の貨物により、課税価格を計算する場合。
(輸入貨物の本邦への輸出の日又はこれに近接する日に本邦へ輸出されたもので、当該輸入貨物の生産国で生産されたものに限る)
・第4条の3 国内販売価格又は製造原価に基づき課税価格を決定するもの。
(製造原価を確認することができる場合で、輸入しようとする者が希望する旨を税関長に申し出たときは、国内販売価格による課税価格の計算方法に優先してこの方法を適用することができる)
・第4条の4 特殊な輸入貨物に係る課税価格の決定によるもの(例:修理委託契約等)。
・第4条の5 課税物件の確定の時期において、輸入貨物に変質又は損傷があったことにより、当該変質又は損傷がなかったものとした場合に計算される課税価格から、変質・損傷による減価に相当する額を控除して得られる価格で決定されるもの。
・第4条の6 航空運送貨物等に係る課税価格の決定の特例によるもの。
補足
■同種又は類似の貨物に係る取引価格による課税価格の決定
- 「これに近接する日」とは、輸入貨物の価格に影響を与える商慣行、及び市場条件が輸出の日と同じであると認められる期間内の日をいう。
※原則として、輸出の日の前後1ヵ月以内の日として取り扱って差し支えない。
※輸出の日の前後1ヵ月以内の日であっても、その日と輸出の日との間で輸入貨物の価格に影響を与える商慣行及び市場条件が異なると認められる場合は、「これに近接する日」には該当しない。
■国内販売価格に基づく課税価格の決定
- 「課税物件確定の時の属する日又はこれに近接する期間内」とは、「課税物件確定の時の属する日又はこれに近接する日」とする。
- これによることができないときは、「当該課税物件確定の時の属する日後90日以内の最も早い日」とする。
※「近接する日」:原則、当該課税物件確定の時の属する日の前後1月以内の日をいう。
※「最も早い日」:当該輸入貨物、又はこれと同種若しくは類似の貨物がこれらの貨物の単価を確定するに足りる数量で国内において販売されるに至った日をいう。
参考記事。↓
参考資料
.