AEO(認定事業者)制度について。

AEO(認定事業者)制度とは

 AEO(Authorized Economic Operator) 

 

概要
  • 貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された事業者に対し、税関が承認・認定し、税関手続の緩和・簡素化策を提供する制度のこと。
  • 世界70以上の国・地域において導入されている。
  • 日本においては、2006年3月に輸出者を対象にAEO制度を導入、その対象を輸入者(2007年4月)、倉庫業者(2007年10月)、通関業者・運送者(2008年4月)、製造者(2009年7月)、に制度の拡大を続けている。

 

 

導入の経緯
  1. 2001年9月11日、米国で発生した同時多発テロ以降、国際物流においてはセキュリティの確保と円滑化の両立が課題として浮上
  2. 2002年4月、米国がC-TPATを導入
  3. 2005年6月、WCO世界税関機構において、税関がセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された事業者を認定し、税関手続の簡素化等のベネフィットを与える「AEO制度」の概念を含む国際的な枠組みが採択される

 

C-TPAT(Custom-Trade Partnership Against Terrorism)

テロ対策のため、米国政府と民間の連携による国際的なサプライチェーンと米国国境におけるセキュリティの強化、向上を目的に、2004年11月に米国税関国境警備局が導入したプログラムのこと。

 

 

AEO制度各種

 

特定輸出者制度(AEO輸出者)

  • 貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された輸出者のこと

 

メリット
  • 税関による審査・検査が軽減され、輸出貨物の迅速かつ円滑な船積みが可能となる
  • 輸出申告後、貨物を保税地域に搬入せずに輸出の許可を受けることができる
  • 輸出申告官署の自由化を利用した輸出申告も可能

 

 

特例輸入者制度(AEO輸入者)

  • 貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された輸入者のこと

 

メリット
  • 税関による審査・検査が軽減され、迅速かつ円滑な輸入申告が可能となる
  • 貨物の引き取り後に納税申告を行うことができる
  • 輸入申告官署の自由化を利用した輸入申告が可能

 

 

特定保税承認者制度(AEO保税承認者)

  • 貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された保税蔵置場等の被許可者(特定保税承認者)のこと

 

メリット
  • 税関長へ届け出ることにより、保税蔵置場を設置すること等が可能
  • 当該届出蔵置場に係る許可手数料が免除となる

 

 

認定通関業者制度(AEO通関業者)

  • 貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された通関業者のこと

 

メリット
  • 輸入者より委託を受けた輸入貨物につき、貨物の引取り後に納税申告を行うことが可能となる
  • 輸出者の委託を受け、保税地域以外の場所にある貨物の輸出許可を受けることができる

 

 

特定保税運送者制度(AEO保税運送者)

  • 貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された認定通関業者のほか、特定保税承認者その他の国際運送貨物取扱業者のこと

 

メリット
  • 個々の保税運送の承認が不要
  • 特定委託輸出申告に係る貨物につき、輸出者の委託を受けて保税地域以外の場所から直接積込港等まで運送を行うことができる

 

※特定委託輸出申告・・認定通関業者による通関手続と特定保税運送者による貨物運送を以て輸出申告を行うこと

 

 

認定製造者制度(AEO製造者)

  • 貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された製造者が製造した貨物のこと

 

メリット
  • AEO製造者以外の輸出者が行う輸出通関手続において、保税地域に当該貨物を搬入することなく輸出の許可を受けることができる

 

 

 

 次回記事→「認定通関業者制度(AEO通関業者)について」

 

 

 

 

参考資料

AEO(認定事業者)制度 : 財務省

AEO(Authorized Economic Operator)制度:税関

AEO事業者一覧:税関

特定委託輸出申告制度の概要:税関

 

 

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