特恵関税制度について(1)。
特恵関税制度について
概要
- 開発途上国(又は地域)を原産地とする特定の輸入品について、一般の関税率よりも低い税率を適用し、開発途上国(又は地域)の輸出所得の増大、工業化の促進を図り、経済発展を支援しようとするための制度。
- 日本の特恵関税制度は、1971年8月から実施されている。
- 法令(関税暫定措置法及び関税暫定措置法施行令)により、適用を受けることができる国及び地域、対象品目並びに関税率が定められている。
- 特恵関税を適用する品目及びその関税率は、農水産品と鉱工業品に分けて定められている。
- 農水産品については、一部の品目を対象とし、関税率は品目ごとに異なる。
- 鉱工業品については、一部の例外を除く全ての品目を対象とし、関税率は原則として無税、一部有税のものがある。
特別特恵関税とは
エスケープ・クローズとは
- 特恵関税又は特別特恵関税を適用した輸入が増加することで、その輸入が国内産業に損害を与え(又は与える恐れがあり)、当該産業を保護するために緊急に必要があると認められるときに、政令により当該品目の特恵関税又は特別特恵関税の適用を停止することができる制度のこと。
特恵関税適用についてのポイントまとめ
- 特恵受益国:特恵関税の適用を受けることができる国・地域は政令で指定される。
- 後発開発途上国:特恵受益国の中には、さらに優遇措置を受けられる後発開発途上国が指定されている。
- 対象品目:農水産品は一部のみ、鉱工業産品は一部を除くすべてが対象品目。
- 適用停止:特恵適用の増加で、国内産業を保護する必要がある場合は、政令により特恵適用停止措置がとられる(年度当初に設定された限度額を超えた場合、翌月半ばから停止措置がとられる)。
- 運送条件:原産国である特恵受益国から直送される場合に限る(非原産国を経由しないこと。経由した場合には、輸送上の積替えまたは一時蔵置されたにすぎないことを証明する必要がある)。
次回記事→「特恵適用除外措置について」
参考資料
.