関税の減免戻税及び還付まとめ。
関税の減免戻税及び還付について
関税について
- 輸入貨物には、無税品でない限り、原則として実行税率により関税が課される。
- そのうち、輸入貨物が一定の条件に適合する場合には、関税の全部または一部が免除される(免税または減税)。
- また、関税納付済の貨物が一定の条件に適合する場合には、納付した関税の全部または一部を払い戻す制度(戻税)や、戻税に類似した関税還付制度がある。
- 関税の減免戻税及び還付は、租税法律主義の原則から法律の根拠が必要だが、その大部分は関税定率法と関税暫定措置法にあり、これらの制度はわが国の経済、社会、文教などに関する政策上の要請や国際慣行などに基づいて設けられている。
■関税定率法関係
12条〔生活関連物資の減免税〕
- 消費者物価の安定のため設けられた措置。
- 主要食糧である米、麦などの輸入価格が国内価格よりも高いとき、また、価格変動の大きい豚肉の国内価格、輸入価格がともに高いときに、関税を一時的に軽減・免除する制度のこと。
- 食料品、衣料品など国民生活に関連が深いそれ以外の品物についても、輸入価格の著しい上昇などで国民生活の安定のため緊急の必要があり、国内産業に損害を与える恐れがない場合は、関税を軽減・免除することができる。
13条〔製造用原料品の減免税〕
- 飼料等特定の製品を製造するために必要な原料(とうもろこし等)について、関税を軽減・免除する制度のこと。
- 減免税される関税額に相当する担保の提供が必要となる場合がある。
14条〔無条件免税〕
14条の2〔再輸入減税〕
- 我が国から輸出された後、性質及び形状に変更がなく再輸入される貨物のうち、保税作業による製品、又は以前に減免戻税を受けた製品で保税作業によったため課されなかった関税額又は減免戻税額が新たに課される関税に比して少ない場合には、課税の均衡上、その差額に相当する関税を軽減するもの。
14条の3〔外国で採捕された水産物等の減税又は免税〕
- 漁業奨励及び水産資源の確保のため、我が国船舶によって外国で採捕若しくは加工された水産物につき関税を軽減又は免除するもの。
15条〔特定用途免税〕
- 学術研究用、社会福祉用の寄贈品などを免税する制度のこと。
16条〔外交官用貨物などの免税〕
- 大使館の公用品などを免税する制度のこと。
17条〔再輸出免税〕
- 委託販売契約や見込み輸入などによって関税を納付して輸入された貨物が、売れ残りなど何らかの理由で国内使用されることなく、輸入許可の日から1年以内に再輸出される場合に、納付した関税の払戻しをする制度。
- 減免税される関税額に相当する担保の提供が必要となる場合がある。
18条〔再輸出減税〕
- 長期の耐用年数をもち、通常の輸入形態が貸借契約等により我が国で一時的に使用された後再輸出されるものにつき、国内で使用された価値を除く再輸出分に相当する関税を軽減するもの。
- 減免税される関税額に相当する担保の提供が必要となる場合がある。
19条〔輸出貨物の製造用原料品の減税、免税又は戻し税等〕
- 海外における輸出貨物の国際競争力を保持し、輸出の振興を図るため、特定の輸出貨物の製造に使用された特定の原料品につき関税を軽減、免除又は払戻しするもの。
- 減免税される関税額に相当する担保の提供が必要となる場合がある。
20条〔違約品等の再輸出又は廃棄の場合の戻し税等〕
- 違約品等の再輸出・廃棄の場合、輸入者は経済的効果を受けないので、これを救済するため納付済の関税を払戻しするもの。
■関税暫定措置法関係
4条〔航空機の部分品などの免税〕
- 航空機の部分品などのうち、わが国において製作が困難と認められるものについて関税を免除する制度のこと。
- 製品類の無税化が進み、その範囲は漸次縮小されている。
8条〔加工再輸入減税制度〕
- 近隣の発展途上国との間の貿易の拡大に資するため、加工または組立てのためわが国から輸出された原材料を用いて1年以内に輸入される特定の貨物(織物製衣類等)について、その関税を軽減する制度のこと。
それぞれまとめ記事のない制度については、
まとめ次第随時更新していきます。
参考資料
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