関税暫定措置法第8条(暫8)とは。

関税暫定措置法第8条(通称 暫8)とは。

 

■概要

 我が国から輸出された特定の原材料が外国で加工又は組み立てられた後、原則として1年以内に特定の製品として輸入される場合、その製品に係る関税のうち原材料相当部分の関税を軽減するもの。

 

※1年を超えることがやむを得ないと認められる場合は(震災、風水害等の天災若しくは火災その他の人為的災害で、輸入者(その代理人を含む)の責任によらない事情がある場合又はこれに準ずるような場合)、別途税関の指示によるところとする。

 

■本制度が適用される輸出原材料

 ・減税額計算の基礎となる輸出原材料に含めるもの

 
イ  製品の加工又は組立ての際に生ずる製造ロスに相当する部分。
ロ 加工又は組立ての際の紛失分を見込んだ数量を輸出した場合の紛失分及び製品の製造段階で生ずる裁断くず、端切れ(用尺が製品一点分に満たないもの)等については、製造ロスに準じて取り扱う。なお、端切れ等を再利用する場合には副産物に含めて取り扱う。
ハ 製品の加工又は組立ての際に生じる無価値に等しい些細な副産物に相当する部分。
ニ 製品の加工又は組立ての工程で発生する不良品であって、再生が困難等のため全く無価値に等しいものは、無価値に等しい些細な副産物に該当するものとして取り扱う。
ホ 消耗品のうち、製品に化体して再輸入されることが即物的に確認できるもの。


 ・ 減税額計算の基礎となる輸出原材料に含まれないもの


イ 消耗品及び製品の加工又は組立てに使用される機械工具類。(ただし、上記ホに該当する消耗品を除く。)
ロ 製品の加工又は組立ての際に生じる副産物に見合う部分。 (上述ロハニとは異なり、価値のある副産物を指す。)

 

■本制度が適用される輸入製品

 ・「本制度が適用される製品の範囲」は、以下資料参照。

 

 ・本制度が適用されない製品

 

イ 関税定率法別表に定める税率が無税とされているもの。
ロ 特恵関税の適用を受ける物品(※なお、一申告で複数欄申告となる場合において、特恵税率を適用していない欄については、本制度の適用は可能である。)

 

資料:輸出原材料(p3~)・輸入製品(p7~)

 

■加工制限(暫8適用が認められない加工)

イ 革製品

ロ 繊維製品

 (原材料貨物にプラスチック、ゴムその他の物質を染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層すること)

ハ 革製履物の甲

 

■減税額の算定方法

 【減税額】
 製品の関税の額に、当該輸出された貨物が輸出の許可の際の性質及び形状により輸入されるものとした場合の、課税価格相当額の当該製品の課税価格に対する割合を乗じて算出した額。

 

(計算式)

                 輸出原材料の課税価格相当価格  
減税額 = 製品の関税額 ×    製 品 の 課 税 価 格

 

(具体例)

1 輸出INVOICE金額(輸出原材料価格): ¥1000
2 輸入加工賃:¥100

3 運賃:¥10000
 課税対象額(製品の課税価格):¥1000+¥100+¥10000=¥11100
 関税額10%:¥11000(千円未満切捨て)×10%=¥1100
 減税額:(¥1000÷¥11100)×¥1100=¥99
 暫8適用後税額:¥1100-¥99=¥1001

 

 

 

参考資料

加工再輸入減税制度マニュアル

 

 

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