船会社の経営破綻時における対処方法について。
船会社の経営破綻時における対処方法について
本日のテーマ
「船会社の経営破綻時における対処方法」を知る。
売主と買主の責任範囲
- インコタームズ規則に基づく売主と買主のリスクの移転時点を確認すること。
- リスクの移転時点とは、貨物の損害に対する責任が売主から買主に切り替わる時点を指す。
- 在来船用のFOB(本船渡し)、CFR(運賃込み)、CIF(運賃保険料込み)は、本船の船上に置いた(On Board)時点でリスクが売主から買主に移転。
- コンテナ船、航空機等で用いるべきFCA(運送人渡し)、CPT(輸送費込み)、CIP(輸送品保険料込み)は、運送人に貨物を引き渡した時にリスクが売主から買主に移転。
- CFR、CIF、CPT、CIPの4つの規則については、いずれも売主が指定仕向港(地)へ物品を運ぶために必要な運送契約を締結するものの、物品が仕向地に到着した時ではなく売主が運送人に引き渡した時、売主は引き渡しの義務を果たす=CFR、CIF、CPT、CIPの4つの規則については、リスクの移転と費用負担者の変更が異なることに注意すること。
貨物海上保険
- 2009年改定協会約款(Institute Cargo Clauses: ICC)では、ICC(A)(1963年協会約款の全危険担保(All Risks)に相当)を付保した場合は、船会社の倒産により保険証券記載の仕向地以外の場所で運送契約が打ち切られ、その結果として本来の仕向地までの継続費用が発生した場合には、保険金支払いの対象とされる(ICC(A)第12条)。
- 当該倒産情報を被保険者が知っていたか、または通常業務において知っているべきであった場合は対象外(同第4条第6項)。
- 輸送の遅延についても保険の免責事項となっており、船会社の倒産で輸送の遅延が生じ、当該遅延によって貨物に損害があったとしても保険金の対象とはならない(同第4条第5項)。
- 実際に保険金が支払われるかどうかは保険契約の内容や状況に応じて変わるため、貨物海上保険を契約している保険会社に個別に確認すること。
参考資料↓
参考資料
船会社の経営破たんによる各当事者の責任範囲と対処方法について:ジェトロ
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