輸出FOB保険とは。
輸出FOB保険とは
本日のテーマ
「輸出FOB保険」を知る。
概要
- 輸出FOB保険とは、日本の各港から輸出される貨物について、国内各地の各工場、倉庫または港頭倉庫搬出から本船積込みまでの輸送中および保管中の危険を併せてカバーする保険のこと。
「輸出FOB保険」が必要な場合
- FOB・CFR。
- 買主は危険負担の移転時(貨物が本船の船上に置かれた時)以降買主側で貨物海上保険を手配するため、日本の売主は本船積込みまでのリスクをカバーするものとして、「輸出FOB保険」を付保することが好ましい。
- 取引条件がCIFの場合、売主は本船積込みまでは自己のために、本船積込み以降は買主のために一貫して貨物海上保険を手配する(輸出FOB保険は不要)。
「輸出FOB保険」の概要
1. 対象となる貿易条件
- FOB条件あるいはCFR条件の契約が対象。
(注) 貿易条件で定める危険の移転時点は、FCA、CPTでは運送人への貨物引渡し時点、FASでは本船の船側に貨物を置いた時点であり、それまでの危険を輸入者が負担する貨物海上保険ではカバーされないため、輸出者は別途保険を手配する必要がある。
2. 保険条件と補償の範囲
- 基本条件は、輸送される貨物の種類、輸送の実態などに応じて「オールリスク担保」または「特定危険担保」条件を選択する。
「オールリスク担保」:すべての偶然の事故によって生じた損害を補償するもの
「特定危険担保」:火災・爆発、もしくは輸送用具の衝突・転覆・脱線・墜落・不時着・沈没・座礁・座州によって生じた損害または共同海損犠牲損害を補償するもの
3. 主な引受方式
- スポット引受方式:
スポット輸出貨物を対象とした補償期間の短い(タイムリミット(注):15日間)引受方式で、1輸送ごとに申し込む。 - 長期契約方式:
継続的に輸出する貨物を対象とした引受方式で、予め締結した包括予定保険証券(Open Policy)によって対象貨物を特定し、長期間(タイムリミット:1年間)カバーする引受方式。輸送額を1ヵ月分取りまとめて翌月保険会社に通知し、その分の保険料を支払う。
(注)タイムリミット:危険開始日の翌日の午前零時から起算した補償期間。
4. 保険の始期と終期
- 始期:貨物が輸出する目的で発送地の倉庫その他の保管場所から搬出された時
- 終期:輸出本船に積込まれた時、またはメーツ・レシートが発行された時
Mate's Receipt(メーツ・レシート):在来船貨物が本船に搭載された時に船会社(船長=Mate)が発行する貨物受取書のこと。
5. 保険額
6. 保険料率
- 貨物の種類・性質・梱包・輸送方法・輸送期間・保険条件・引受方式等のリスク実態により、保険会社が取り決めるとされる。
参考資料
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