航空運賃特例について(2)。
航空運賃特例について
本日のテーマ
「航空運賃特例」について深掘り。
航空運賃特例とは
- 航空輸送された貨物につき、特定の条件にあるものについては、たとえ航空輸送した場合でも「航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとする」というもの。
具体例で深掘り
(ケース)
買手が、日常生活で個人的に使用するための衣類を、売手のホームページから通信販売により運賃込みの価格で輸入。
この貨物の請求書(仕入書)には、衣類の価格と衣類の日本までの運賃が別に記載されており、その合計額を買手が支払った場合。
(回答)
当該輸入する貨物は、その輸入取引が小売取引の段階によるものと認められ、かつ輸入者の個人的な使用に供されると認められることから、その課税価格は、その貨物の輸入が通常の卸取引の段階でされたとした場合の価格とされる。
また、輸入貨物に係る運賃の額が仕入書により輸入貨物本体の価格と明確に区別されているので、その運賃を課税価格に算入する必要はない。
(「航空運送貨物等に係る課税価格の決定の特例(関税定率法第4条の6関係)1.業務用貨物を個人名義で輸入する場合の課税価格」)
(※メモ)
・「貨物の輸入が通常の卸取引の段階でされたとした場合の価格」とは
本邦の卸売業者が、一般的に本邦における再販売等の商業目的のために、その貨物と同種の貨物を外国において卸取引の段階で購入するとした場合の価格(海外小売価格×0.6)とされる。
・「海外小売価格」とは
原則として輸入者がその貨物を取得する際、実際に支払った価格をいう。
これに運賃が含まれている場合で、その輸入貨物本体の価格とその輸入貨物に係る運賃の額が仕入書等により明確に区別されていることが確認できる場合には、運賃の額を除いた価格となる。
輸入貨物本体とその運賃の額が区別できない場合には、運賃込みの価格が「海外小売価格」となる。
(ケース)
自己資産として本邦の自宅で保管するために、A国において貴金属業者から購入した金地金を本邦への帰国に際し、携帯して輸入。
購入代金は同国で支払済み、輸入者宛ての領収書が確認できるとする。
輸入貨物の課税価格を計算する際、その輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる場合で、輸入者の個人的な使用に供されると認められる場合。
(回答)
金地金は、国際相場価格があり、卸取引の段階と小売取引の段階で価格の間に相当の差異がないと認められるため、課税価格の決定の特例を適用して課税価格を計算することはできない。
(※メモ)
・国際相場価格がある物品について
輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる貨物で、その輸入者の個人的な使用に供されると認められるものである場合、その貨物の課税価格はその小売取引における価格によることなく、その貨物の輸入が通常の卸取引の段階でされたとした場合の価格によることとされている。
しかし、金・白金その他の国際相場価格がある物品等で、卸取引の段階と小売取引の段階において、これらの価格の間に相当の差異がないと認められる物品については、この限りでないこととされる。
参照記事↓
参考資料
個人的な使用に供するため通信販売により輸入する貨物の課税価格:税関(質疑応答)
金地金を個人が携帯して輸入する場合の課税価格:税関(質疑応答)
航空運送貨物等に係る課税価格の決定の特例(関税定率法第4条の6)
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