無条件免税について。
無条件免税について
概要
皇室用品、外国元首等用の物品、国の専売品、再輸入品等につき関税を免除するもの。
14条(無条件免税)
1号(皇室用、内廷用物品)
- 献上品については、あらかじめ天皇又は内廷にある皇族の用に供されることが確定したものに限り本号を適用するものとし、単に献上の目的で輸入するものは、本号に含まない。
- 輸入貨物について宮内庁から内廷用品(献上品の場合を含む。)である旨の通知を受けたときに限り、本号を適用して簡易な通関を行う。
2号(外国元首等に属する物品)
- 「元首」とは、君主、大統領その他国際法上外国に対して一国を代表する者をいう。
- 「属する物品」とは、元首若しくはその家族、又はこれらの者の随員が来遊に際し使用するため輸入するもの(別送を含む。)をいう。
3号(国際機関等が寄贈する勲章、賞はい等物品)
3号の2(国際連合又はその専門機関から寄贈された物品等)
- 専門機関とは、国際労働機関(ILO)、国際連合食糧農業機関(FAO)、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)、国際民間航空機関(ICAO)、 国際通貨基金(IMF)、世界保健機構(WHO)等をいう。
- 「教育用の物品」とは、その物品の展示又は使用が教育的な効果を有するものをいい、学校教育用の物品に限らない(当該物品を換価して教育に使用するようなものは含まない)。
- 「宣伝用の物品」とは、国連精神の普及又はその専門機関の設立の目的を達成するために必要な啓蒙若しくは宣伝用の物品(例:ユネスコクーポン募集のための写真、パンフレット等)をいう。
- 「その他これらに類する物品」とは、録画済みのビデオ・テープ等をいう。
- 寄贈を受ける者については制限はないが、当該物品が国際連合又はその専門機関から寄贈されたものであるかどうかの確認は、国際連合若しくはその専門機関又は関係官公庁若しくは団体(例:日本ユネスコ国内委員会)の発行する証明書類により行う(仕入書等により確認できるときはこの限りでない)。
3号の3(国際博覧会等のカタログ類)
- 本号に該当する物品は、次の要件を充足するものに限る。
- 参加国の責任において作成したものであること。
- 博覧会等のために使用されるものであること。
- その内容が、主に特定の個人又は企業に係る商品又は営業内容を紹介し、又は宣伝するためのものでないこと。
4号(記録文書その他の書類)
- 「記録文書その他の書類」とは、学術、文化、産業、衛生等の資料、研究報告又は文献として価値のある文書その他の書類をいい、それらを収録した写真(例:マイクロフイルム)を含むものとする。
- 観光旅行宣伝用資料となる「絵入りカレンダー」については、次に掲げるすべての条件を満たすものに限り、本号に該当するものとして取り扱う。
- カレンダーの大きさの25%を超える部分を、会社名等の広告によって占められていないこと(通関士試験よく出る!)。
- 外国旅行の宣伝を主たる目的とするものであること(航空会社、船会社等外国旅行に関係ある会社等のカレンダーは、この条件に該当するものとして取り扱う)。
- 輸入後、無償で配布されることが明らかであること。
5号(政府等が輸入する専売品)
- 「専売品」とは、あへん法による「あへん」 をいう。
- 専売品の委託輸入者が納税申告をする場合においては、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長が発行する委託書、又は委託を証する書類を添付させる(当該専売品が特例申告貨物であり、かつ輸入申告の際に当該書類を確認している場合にあっては、添付を省略してよい)。
6号(注文の取集めのための見本)
- 「注文の取集めのための見本」とは、既に生産されている特定の種類の貨物を代表する物品、又は生産が計画されている貨物を示す物品で、これらによって代表される種類の物品の注文を取り集めるために使用されるもの (その一部を含む。)をいう。
- 市場の需要傾向等の調査のための物品、及び見本である旨を示すラベル等を含み、製作のための見本は含まない(通関士試験よく出る!)。
- 関税定率法施行令第13条の3に規定する「課税価格の総額」とは、注文取集めのための見本のみの1申告の課税価格の合計額をいう。なお、課税価格の総額が5,000円を超えるものについては、令第13条の3の規定の適用はない!(全体に対して課税することになる)(通関士試験よく出る!)。
令第13条の3(著しく価額の低い見本の指定)
著しく価額の低いものとして政令で定める見本は、次に掲げる物品で、課税価格の総額が5,000円以下のものとする(酒類を除く)。
1.見本のマークを附した物品、その他見本の用に供するための処置を施した物品。
2.前号1. に掲げるものを除き、見本に供する範囲内の量に包装した物品又は一個(または一包装)の課税価額が1,000円以下の物品(種類及び性質を同じくするものについては、そのうちの一個に限る)。
6号の2(品質表示ラベル)
例:米国の UL(Underwriters Laboratories Inc)、カナダの CSA(Canadian Standards Association)ラベル 等
7号(携帯品)
8号(引越荷物)
- 「本邦に住所を移転する」とは、本邦に生活の本拠を移転する場合、または次の場合による。
- 本邦に住所を有しない者が本邦に入国する場合で、旅券その他の公的書類等によって本邦に住居を設定して少なくとも1年以上滞在すると認められる場合
- 本邦から外国に住所を移転し、本邦に入国する前に引き続き1年以上外国に居住していた者が、再び本邦に住所を移転するため入国する場合
※第7号、8号に規定する別送して輸入する物品について、これらの規定により関税の免除を受けようとする者は、本邦への入国の際に、当該物品の品名、数量、輸入の予定時期及び予定地並びに積出地を記載した申告書を税関長に提出し、確認を受ける。
※税関長がやむを得ない特別の事由があると認める場合を除くほか、その入国後6ヵ月以内に当該物品を輸入しなければならない。
9号(在外公館から送還された公用品)
- 「送還された公用品」には、外国において調達した公用品は含まない。
- 送還された公用品の納税申告に当たっては、外務省大臣官房在外公館課長の発給した在外公館からの送還品である旨の証明書を提出させる。
10号(再輸入貨物;減免戻税適用貨物を除く)
- 消費税法第7条第1項又は第8条第1項の規定により免除を受けた物品は、適用外。
消費税法第7条第1項
第8条第1項
輸出物品販売場を経営する事業者が、外国為替及び外国貿易法第六条第一項第六号に規定する非居住者に対し譲渡を行った場合で(当該物品の譲渡に対する対価の合計額が政令で定める金額以上となるときに限る。)、消費税を免除されたもの。
11号(再輸入貨物の容器)
- 「その他これらに類する容器」とは、貨物の運送のために反復して使用するもので、形状は問わない。
- 同一性確認のための資料提出を求められるので注意。
13号(遭難した本邦の船舶又は航空機の解体材料等)
14号(船舶等の事故により積み戻された貨物)
16号(身体障害者用の器具等)
17号(ニュース映画用のフィルム等)
- 撮影済みのものに限る。
- 内容を同じくするものについては、そのうちの2本以内に限る(通関士試験よく出る!)。
18号(少額貨物)
- 課税価格の合計が10,000円以下の物品。
- 本邦の産業に何らかの影響を及ぼすとして、政令において当該規定を適用することが適当と認められないものを除く。
参考資料
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