保税地域とは。

保税地域について

 

 

保税地域の目的

輸出入貨物を法の規制下に置くことで、以下の目的を果たすことを目指す。

  1. 秩序ある貿易を維持
  2. 関税などの徴収の確保を図る
  3. 貿易の振興及び文化の交流などに役立てる

 

 

保税地域の種類と機能

(全5種類)

指定保税地域、保税蔵置場、保税工場、保税展示場、総合保税地域

 

(機能)

外国貨物の積卸し、運搬、蔵置、加工・製造、展示などの行為が可能

(関税徴収の確保及び取締りの適正を期するため、保税地域にある外国貨物は税関の監督下におかれている)

 

 

各特徴

 

指定保税地域

 

主な機能:外国貨物の積卸し、運搬、一時蔵
例)コンテナヤード 等

蔵置期間:1ヵ月

設置手続:財務大臣の指定

 

  • 国や都道府県、市といった地方公共団体等が所有したり、管理している土地や建物等公共的な施設について、財務大臣が指定して設置するもの
  • 税関手続を簡易、迅速に処理するために設けられている
  • 外国貨物(輸入手続がまだ済んでいない貨物、輸出の許可を受けた貨物、わが国を通過・経由する貨物)を積卸、運搬、又は一時(原則1ヵ月)蔵置することができる
  • 貨物の税関手続と荷さばきのため、誰でも自由に、安く利用できることを理想とする
  • 長期間貨物を置くことや、指定業者が独占的に使用することは認められていない
  • 貨物の性質を変えるような作業複雑な加工や製造は、禁止されている
  • 主として税関所在地の近くに設置されている税関手続のために、貨物を置く場所として設けられたものであるため

 

 

保税蔵置場

 

主な機能:外国貨物の積卸し、運搬、蔵置
例)倉庫、上屋 等

蔵置期間:2年(延長可)

設置手続:税関長の指定

 

  • 外国貨物を置くことができる場所として、税関長が許可した場所
  • 外国貨物を積卸し、又は蔵置(原則2年、延長可能)することができる
  • 蔵置する間は、関税等の税金は発生しない
  • 取引の円滑化と中継貿易の発展を図るために設けられたもの

 

保税工場

 

主な機能:外国貨物の加工、製造

蔵置期間:2年(延長可)

設置手続:税関長の指定

 

  • 外国貨物について関税等を課さないまま、加工・製造できる場所として税関長が許可した場所
  • 加工貿易の振興のために設けられた
  • その加工又は製造の期間は原則として2年、作業の都合によっては期間の延長が認められる
  • 原則2年間は関税等が発生しないため、この間に外国貨物に加工、製造を行い、製品を外国に送り出すことが可能
  • 外国産原料の輸入や製品の輸出に便利な場所に設置されるのが普通
  • ただ、国内販売品と一緒に輸出品の加工や製造を行う場合もあるので、国内販売のための工場の立地条件に左右され、港から離れた場所に設置されることもある
  • 保税工場で加工、製造される主な製品は、魚介類の缶詰、菓子、鋼材、電線、船舶、自動車、精密機械、土木機械、工作機械、石油製品、繊維、農薬、化学製品、フィルムなどがある

 

保税展示場

 

主な機能:外国貨物の展示

蔵置期間:保税展示場が許可する期間

設置手続:税関長の指定

 

  • 外国貨物を展示する会場として、税関長が許可した場所
  • 国際的な規模で行われる博覧会、公的機関が行う外国商品の見本市や展示会等の運営を円滑にするため、関税等を課さないまま、簡易な手続により外国貨物を展示したり、使用する場所として設けられた
  • 東京モーターショーなどは、この制度を利用して行われている

 

総合保税地域

 

主な機能:外国貨物の蔵置、加工、製造、展示などの各種機能

例)中部国際空港 等

蔵置期間:3ヵ月(総保入承認を受ければ2年間、更なる延長可)

設置手続:税関長の指定

 

  • 保税蔵置場・工場・展示場に掲げる保税地域が有する外国貨物の蔵置、加工、製造、展示などの各種機能を、総合的に活用できる地域として税関長が許可した場所
  • 輸入の促進や対内投資事業の円滑化などの動きを背景として、各種の輸入インフラの集積のメリットを助長するため、そのような施設が集積する地域に対応する保税制度として創設された
  • 蔵置期間は原則3ヵ月、総保入承認を受ければ2年間(税関長が特別な理由があると認めた場合には、更なる延長が可能)
  • 地域内の各施設の間では、保税運送手続を必要とせずに外国貨物の移動ができるなど、手続きの簡素化が図れる

 

 

 

 

参考資料

保税地域の概要:税関

保税地域一覧表・承認工場一覧表:税関

保税地域の目的と利用方法:ジェトロ

 

 

.