ウィーン売買条約について。

ウィーン売買条約について

 

本日のテーマ
ウィーン売買条約」について深掘り。

 

概要
  • 正式名称:「国際物品売買契約に関する国連条約」(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods : CISG)
  • 国境を越えて行われる物品の売買に関して、契約や当事者の権利義務の基本的な原則を定めた国際条約のこと。
  • 国際連合国際商取引法委員会(United Nations Commission on International Trade Law : UNCITRAL)が起草し、1980年に採択され、1988年に発効。
 
ウィーン売買条約
  • 2019年9月現在、92カ国が締約。
  • 日本では、2009年8月1日に発効。
  • 当事者の営業所が異なる国にある場合、契約は国際的取引とみなされ本条約が適用される。
  • 本条約適用の全面的排除あるいは一部規定の効果を減殺または変更することで、同条約の全部または一部を適用しないことを売買契約の中で規定できる(同条約第6条)。
 
適用順位
1.当事者の所在する国がいずれも締約国である場合:自動的にウィーン売買条約が適用(第1条第1項)
 
  • 一方が非締約国であっても、国際私法により締約国の法を適用するとされている場合には、同条約が適用される(第1条第2項)。
  • 非締約国の企業との売買契約であっても、国際私法の定めにより、日本法が適用されることになれば、自動的にウィーン売買条約が適用されることになる。
 
2.同条約の適用を排除または変更することが可能(第6条)
 
  • この場合は、売買契約において明示的に同条約を排除する文言を規定しなければならない。
  • 単に別途準拠法を定めただけでは、原則的には、ウィーン売買条約が優先されることになる。
 
3.同条約において、当事者は、合意した慣習および当事者間で確立した慣行に拘束される(第9条第1項)
 
  • ウィーン売買条約が適用された場合でも、合意した慣習や当事者間で確立した慣行は、ウィーン売買条約に優先する(=合意した場合にとどまらず、合意がなされていなくても、業界の間などですでに確立した慣行であれば、ウィーン売買条約の規定に優先する)。
  • 「慣習」にはインコタームズのような国際慣習も含まれ、売買契約書にインコタームズによることが明示的に規定されていれば、ウィーン売買条約の規定に優先してインコタームズの規定が適用されることになる。
 
4.国内法
 
 
 

参考資料

ウィーン売買条約の概要:ジェトロ

United Nations Commission On International Trade Law


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