輸送保険について(4)。
輸送保険について
本日のテーマ
「保険で填補できない事由」を知る。
被保険者の故意の違法行為による損害
- 被保険者が故意に貨物を害することによって結果的に保険金を得るのは、違法行為とみなされる。
漏損、重量・容積の減少または自然の消耗による損害
- 自然減耗による損害。
例:重量が船積時と到着時で異なるもの(コーヒー豆のように袋詰めにしたり、ばら積みした貨物、液体貨物)
貨物の梱包の不十分・不適切による損害
- 貨物の輸出梱包の不十分・不適切さが原因で生じた減失、損傷等、荷扱い中または輸送中の貨物の損害(コンテナへの積付けも梱包の範囲に含まれる)。
- 保険適用期間開始後に被保険者または被雇用者以外の第三者が行う梱包については、保険の填補を受けることができる。
貨物固有の瑕疵、性質による損害
- 貨物そのものが持つ欠陥である瑕疵や、本来の性質によるもの、輸送中に顕在化して破損、劣化、変質などの損害が出たもの(金属の自然錆や農産物の成熟腐敗等)。
遅延による損害
- 積載船の遅延により生じる損害。
放射能汚染、化学兵器、生化学兵器および電磁兵器による損害
船会社等の倒産による損害
- 船舶の所有者・管理者・用船者・運航者の支払い不能、金銭債務不履行により生じる損害(保険の目的物を船舶に積み込む時に、被保険者がそのような支払い不能または金銭債務不履行が、その航海の通常の遂行を妨げることになり得ると知っているか、または通常の業務上当然知っているべきである場合に限る)。
(ポイント)
- これらの免責事項については、一定の保険条件を設定し割増保険料を支払うことで危険をカバーする場合もある。
- 上記危険を想定し、具体的に規格、梱包、数量、品質、船積時期などについて、それら危険が発生した場合の責任・補償の条項を輸出者と輸入者との間で取り決め、合意のうえ、輸出入契約上で危険回避を図ることがポイント。
- 上記の危険のうち、以下においては、サーベイヤー(海事検査人)などによる積地での船積前検査も有効な方法で、填補されない危険により生じたものでないことを立証できる場合もある。
- 漏損、重量・容積の減少または自然の消耗による損害
- 貨物の梱包の不十分・不適切による損害
- 貨物固有の瑕疵、性質による損害
参考資料
貨物海上保険で填補できない免責事由と危険回避の対処:ジェトロ
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