木材梱包材の燻蒸処理について。
木材梱包材の燻蒸処理について
本日のテーマ
「木材梱包材の燻蒸処理」を知る。
概要
- 貨物を輸出する場合、その貨物の木材梱包材に病害虫が付着し、輸入国に病害をもたらすことを予防するため、EU、米国、カナダ、韓国、オーストラリア等80カ国以上で、木材梱包材について植物検疫措置に関する国際基準ISPM No.15「国際貿易における木材こん包材の規則」に即した消毒、表示等を輸出国で行うことを要求している。
対象貨物
- 国際基準で規制される木材梱包材は、厚さ6ミリ以上で、貨物の積載、梱包、下敷き、支持または固定に使用されるパレット、木箱、木枠などの非加工木材をいう。
- 厚さ6ミリ以下の木材で作られた梱包材やプライウッド、パーティクルボード、OSB(Oriented Strand Board, 配向性ストランドボード)、ベニヤなど、接着剤処理、熱処理、圧力処理により加工された木材は対象外。
処理方法
- 「熱処理」と「臭化メチル燻蒸処理」の二つ。
- 熱処理の方法
- 木材梱包材を加熱室(窯内)に入れ、材芯温度を含む断面全体を摂氏56度以上で30分間以上加熱する方法(HT)
- 誘電加熱(例: マイクロウエーブ)により木材断面全体を連続する1分間、最低摂氏60度で加熱処理する方法(DH)
- 臭化メチル燻蒸処理(MB)の方法
- 温度別(木材・大気温度10℃以上)の最低CT値(薫蒸時間24時間以上、ガス濃度×時間の積)および24時間後の最低最終濃度が規定されている。
- 処理後は、消毒済みであることの証として、国際基準に沿った承認マークを付すこと。
- 輸入国によっては、国際基準に加えて独自の基準を設けている国もあるため、各国の詳細情報は「輸出用木材こん包材に関する各国の情報」より確認すること。
- 国内の消毒実施認定業者は、社団法人 全国植物検疫協会より参照。
(参考)
オーストラリア独自の消毒基準・処理方法
- オーストラリアでは独自に熱処理や燻蒸処理などの基準が規定されている。
- 船積前に行う場合は、輸出国内のオーストラリア政府公認処理施設に依頼。
- オーストラリア到着後は、同国での輸入通関前に処理が可能。
- 熱処理、臭化メチル燻蒸処理、フッ化スルフリル燻蒸処理、エチレンオキシド薫蒸処理が行なわれた場合は、処理後21日以内にコンテナに積み込むこと。
- 臭化メチル燻蒸処理、フッ化スルフリル燻蒸処理、エチレンオキシド薫蒸処理、防腐剤処理は、梱包材に表面コーティングする前に実施。
- 通関時に消毒処理が不充分であると判断された場合には、オーストラリア農業・水資源省(DAWR)が認可するオーストラリア国内の処理施設で再消毒、再輸出、あるいは破壊処理される。
- 臭化メチル燻蒸処理
- フッ化スルフリル燻蒸処理
- エチレンオキシド薫蒸処理
- 熱処理(木材の中心温度を摂氏56度とし30分以上保持)
- 熱処理(Kiln Drying/釜炉乾燥)
- ガンマ線照射
- 防腐剤処理
参考資料
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