関税割当制度とは。

 関税割当制度について

 

概要

 

  • 一定の数量以内の輸入品に限り、無税又は低税率(一次税率)の関税を適用して、需要者に安価な輸入品の提供を確保する一方、この一定数量を超える輸入分については比較的高税率(二次税率)の関税を適用することにより、国内生産者の保護を図る制度。
  • 昭和36年度の貿易自由化に際し、国内産業に対する急激な衝撃を緩和し、自由化を円滑に定着させるための過渡的措置として採用されたもの。
  • 一定数量以内の輸入しか認めない輸入数量制限と比べると、一定数量を超えるものであっても二次税率で輸入できるという点がポイント。
  • WTOは数量制限を原則禁止しているが、関税割当制度については、特定の国に対して差別的に適用しないことを条件として認めている。
  • 現在、経済産業省では、皮革(①牛馬革(染着色等したもの)、②牛馬革(その他のもの)、③羊革・やぎ革(染着色等したもの))、④革靴(革製及び革を用いた履物(スポーツ用のもの及びスリッパを除く。))の4つの品目の割当てを行っている。
  • 毎年度ごと(品目によっては上半期、下半期ごと)政令で数量が定められる。

 

 

割当申請(革靴の場合)

 

  • 年度枠と保留枠に分けて割当てされ、申請は年度内にいずれか一回のみ行うことができる。
  • 申請を行うには、履物や皮革製品などの製品を販売または輸入をしていることが要件。
  • 過去2年間に関税割当証明書の発給を受けて輸入通関した「実績者」、または一定の輸入経験のある「新規者」が申請することができる。

  (※詳細は申請先である経済産業省貿易審査課または全国の経済産業局宛)

 

 

輸入手続きの流れ

 

 取得した関税割当証明書(一次税率適用の場合)、輸入(納税)申告書、インボイス船荷証券、保険明細書、運賃明細書、パッキングリスト等を税関へ提出し、輸入申告を行う。

 

 注1輸出国により経済連携協定EPA)など特恵関税の適用を受ける場合は、輸出国の所定様式による原産地証明書が必要。

 注2)ワシントン条約対象物品等その他法令に該当する場合は、必要に応じて証明や許可書なども提出する。

 

 

留意事項

 

  • 商標権、意匠権知的財産権を侵害する偽ブランド品等は輸入が禁止されている。
  • 原産地の虚偽または誤認表示がある製品は、関税法景品表示法により、輸入・販売が禁じられている。
  • 証明書の有効期間内に割当物品を輸入通関できなくなったことが確認できる場合には、有効期間満了日の翌日から30日を超えない範囲で有効期間の延長を申請することができる。延長申請書)(詳細は「関税割当証明書の取扱い等について」より)

(次の①又は②のいずれか一の事由による)

①輸出者の責による事由

②天災、戦争、労働争議その他輸出者又は申請者のいずれかの者の責にも帰すことができない事由

  • 割当数量が決まっていることより、割当数量が使い切れずに残ってしまいがちな申請者は、次回申請時の割当数量への影響も考えられる。

 

 

 

 

参考資料

関税のしくみ

関税割当制度概要(METI/経済産業省)

関税割当制度:農林水産省

経済連携協定における関税割当制度について

農林水産物の関税制度について

革靴の関税割当:日本

関税割当証明書の取扱い等について

 

 

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