特恵税率(特恵関税制度)について。
■通関関連
特恵税率(特恵関税制度)
開発途上国を原産地として輸入される一定の農水産品・鉱工業産品に対し、
一般の関税率よりも低い税率を適用することにより、開発途上国の輸出所得の増大、
工業化と経済発展を促進する国際的制度のこと。
この時に使用される税率を「特恵税率」と呼ぶ。
・ポイント
1.特恵受益国
特恵関税の適用を受けることができる国・地域は政令で決められている。
2.後発開発途上国
特恵受益国の中でも、さらに優遇措置を受けられる。
当該国・地域は政令で指定されている。
3.対象品目
農水産品・・一部のみ。
鉱工業産品・・一部を除く。
4.適用停止
特恵適用の増加で、国内産業を保護する必要があるとき、政令により停止措置がとられる。
5.運送条件
原産国である特恵受益国から直送されること。
なお第三カ国を経由する場合には、原則として「運送上の理由」が必要。
※運送上の理由・・原産国が内陸国である場合や、原産国から本邦まで直送する輸送方法がない場合等、第三カ国を経由せざるを得ない場合を指す。なお、第三カ国で一時蔵置や展示会への出品等を行った場合も、積送基準を満たす。
・特恵原産地証明書についてのポイント
(特恵原産地証明書を以て輸入申告を行い、特恵関税の適用を受ける。)
1.発給機関は輸出国税関等が発給したものか?
2.証明印はあるか?(特恵受益国から財務省へ通知されている証明印を指す)
3.特恵原産地証明書の有効期間は、発給日翌日から1年以内か。
4.インボイスとの一致がとれるか(輸出入者、製品名、重量、個数等)
5.輸送手段及び経路は、原産地証明書に記載の通りであるか。
6.原産地基準(*)は確認できるか?
(*)例:P=完全生産品、W=輸出国の実質加工品。ここは細かいので別で纏めます。
・特恵原産地証明書の提出が不要な場合
以下の場合(1~3)は、原産地証明書なしで特恵税率を適用できる。
(前提条件)インボイスに原産地の記載があり、原産国から直送されていること。
1.課税価格の総額が20万円以下であること(少額特恵が使用できる)。
2.税関長が、物品の種類又は形状により、その原産地が明らかであると認めた物品(特定品目)。
3.特例輸入者の場合。(但し、税関長が必要と認めた場合は提出が必要)
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