ワシントン条約について(2)。
ワシントン条約について
本日のテーマ
「ワシントン条約」について深掘り(2)。
附属書ごとの規制、手続きについて
■付属書I
- 「絶滅のおそれのある種で取引による影響を受けている、または受けるおそれのあるもの」が規定されており、原則として商業取引は禁止。
- 学術目的や商業目的で人工繁殖させたものなど取引のみ可能。
学術目的等での輸出入の手続き
- 輸入者が輸入国で輸入申請を行い、輸入国の政府が科学当局に照会し輸入許可書を発給。
- 同許可書のコピーを輸出者に送付し、輸出国での輸出(転出)申請を行い、輸出国政府機関発行の輸出許可書(または再輸出証明書)を取得。
- 輸入する際には、輸出国の輸出許可書および輸入国の輸入許可書(日本の場合は経済産業大臣による輸入承認証)のオリジナルを以て申請。
人工繁殖用および条約締結前に取得した標本等の輸出入手続き
- 輸出者が輸出国政府に輸出(転出)申請を行い、輸出許可書を入手。
- 輸出許可書のコピーを、輸入者等を経由して輸入国当局に送付し、輸入国で当該品の輸出許可書の有効性を確認。
- 問題がなければ、輸入許可書が発給される。
■附属書II
- 「国際取引を規制しないと絶滅のおそれがあるもの」を規定。
- 当該品の商業取引は条件付きで可能。
- 国際取引の際には、輸出国政府機関が発行した輸出許可書(または再輸出証明書)が必要。
- 日本に輸入する場合は、経済産業大臣による事前確認書を税関に提出すること(船積国・地域などにより、税関長による通関時確認で済む場合もある)。
事前確認が必要な物品の輸入手続き(日本)
- 事前確認が必要な物品は、輸入公表[三の7の(6)、(7)、(8)]を参照。
通関時確認となる輸入物品(日本)
- 上記に該当しない附属書II(またはIII)の物品は、輸出許可書の通関時確認のみで輸入可能。
■附属書III
- 条約締約国において、「自国内における規制および取り締りのために他の締約国の協力が必要」と認められた種を規定。
- 国際取引には、輸出国政府機関発行の輸出許可書(または再輸出証明書、原産地証明書や加工証明書など)が必要。
- 日本に輸入する場合は、経済産業大臣による事前確認書を税関に提出すること(船積国・地域等により、税関長による通関時確認で済む場合もある)。
- 日本への輸入手続きは、上記2項の附属書IIと同様。
■人工飼育・人工繁殖用に関する特別規定
- 該当する繁殖のものは、附属書Iの規制種であっても附属書IIの扱いとなり、輸出国政府機関発行の繁殖証明書をもって輸出許可書に代えることが可能(同条約第7条)。
- ただし、当該動物(附属書Iに限る)の繁殖施設は条約事務局に事前登録する必要がある。
参考資料
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