L/C決済について。
L/C決済について
本日のテーマ
「L/C決済」を知る。
概要
- 信用状(L/C/Letter of Credit)のこと。
- 貿易取引において、輸出者にとっての輸入者の信用リスクを回避する方法のひとつ。
- L/Cは発行銀行による支払い確約(L/Cで要求されている書類が、L/Cの期限などL/C記載条件通りに呈示されることを条件とする支払い確約)であり、輸出者にとっては、輸入者の信用リスクがL/C発行銀行の信用リスクに転換される。
L/C発行銀行の信用
- L/C取引の場合、輸出者にとって輸出代金回収の拠り所は、輸入者の信用リスクではなくL/C発行銀行の信用となるので、L/C発行銀行の信用状態を点検する必要がある。
- L/C発行銀行が万一倒産した場合にはL/Cによる支払いは期待できず、また発行銀行の所在国にカントリーリスクが発生した場合等では、L/Cによる支払いが滞る可能性があると言える。
確認信用状(Confirmed L/C)
- L/C発行銀行の国際的信用度が低い場合は、欧米や日本の一流銀行にL/Cの確認(Confirmation)を求めることで、L/C発行銀行の信用リスクを回避する方法がある。
- 発行銀行からの授権・依頼があっても、確認を付加するか否かの決定権は確認銀行にあり、確認を加えない場合も認められている(第8条(d))。つまり発行されたL/CにConfirmed L/Cなどの表現があっても、確認銀行による「確認の通知」がなければ、Confirmed L/Cではない。
■L/C取引における国際的取引ルール
「ICC荷為替信用状に関する統一規則及び慣例(ICC UCP600)」
・確認:発行銀行の確約に付加されたもの
・確認銀行:発行銀行の授権または依頼に基づき自行の確認を付加する銀行
サイレントコンファーメーション(Silent Confirmation)
- 受益者(輸出者)の依頼に基づいて他の銀行が確認を加えること。
- 発行されたL/Cが確認銀行による確認を求めていない場合でも、輸出者と買取(予定)銀行等との間の特約により、確認を受けられる慣行がある。
- LC発行銀行の依頼によるものではなく、受益者の依頼によるものなので、通常は受益者の取引銀行がサイレントコンファーメーション行い、それに伴う確認手数料は受益者負担となる。
- サイレントコンファーメーションの可否は、各取引銀行に照会すること。
L/C発行銀行が倒産した場合の対応
- サイレントコンファーメーションを含む「確認」が付与されたL/Cであれば、確認銀行による支払いが受けられる。
- 確認が付与されていないL/Cの場合、船済み前であれば至急船済みを止める、船積みが完了している場合は、船済み書類をホールドするなどの防衛措置をとり、代替決済方法につき輸入者と協議する必要がある。
- 船積み書類の性格によっては(Seawaybill, Airwaybill等)、書類をホールドしていても輸入者が貨物を取得できてしまうので注意。
参考資料
信用状(L/C)発行銀行の信用リスクと確認信用状(Confirmed L/C):ジェトロ
信用状取引の特徴および信用状で使用される用語の解釈:ジェトロ
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