漢方薬等の輸入手続きについて。
漢方薬等の輸入手続きについて
本日のテーマ
「漢方薬等の輸入手続き」を知る。
概要
- 含まれる成分・用途等により、関税分類および輸入手続きが異なる。
- ショウガ、とうがらしなどは香辛料、治療または疾病等の薬効をうたう場合は医薬品医療機器等法の対象になり、食品に分類されるものもある。
輸入時の規制
■医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(医薬品・医療機器等法)
- 医薬品・医療機器等法における医薬品の定義
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日本薬局方に収載されるもの(生薬の多くが該当)
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人または動物の疾病の診断、治療または予防目的のもので、機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品でないもの(医薬部外品を除く)
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人または動物の身体の構造、または機能に影響を及ぼすことを目的としているもので、機械器具でないもの(医薬部外品および化粧品を除く)
- 医薬品・医療機器等法の該当・非該当確認
- 成分情報を入手し、都道府県の薬務主管課に確認
- 医薬品と食品の区別は、「医薬品の範囲に関する判断基準」(食薬区分)(厚生労働省薬務局長通知薬発第476号「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」)に基づく
輸入手続き
■医薬品・医療機器等法該当の場合
- 厚生労働省が定めた「医薬品等輸入届取扱要領」に従い、以下の許認可を得る必要がある。
※自ら輸入して国内で販売する場合は、下記両方の許可が必要。
- 「製造業許可」製品を製造するために原料などを輸入する場合(輸入後、包装・表示・保管などを行う場合を含む)
- 「製造販売業許可」輸入して販売する場合
- 上記許可を取得後、輸入する品目ごとに必要なもの。
- 「製造販売承認」(必要な品目の場合に限る)
- 「外国製造販売業者等届出書」(提出先:医薬品医療機器総合機構)
- 「医薬品製造販売届出書」(提出先:製造販売業許可を取得した都道府県薬務主管課)
- 「製造販売用医薬品輸入届出書」(提出先:関東信越または近畿厚生局)
- 「外国製造業者認定」(製造販売承認申請に際して、日本に輸出しようとする外国メーカーが認定を受ける必要があり、日本で製造販売業許可を有する者(輸入者)を選任し、輸入者が申請可能)。
■植物防疫法・家畜伝染病予防法
- 生薬や漢方薬の加工の程度によっては、植物由来のものは植物検疫(原則全てが検疫対象。土付きは不可)、動物由来のもの(指定検疫物のみ)は動物検疫を必要とする場合がある。
- 一部の植物および動物の国際取引は、ワシントン条約よって規制されている。
■麻薬および向精神薬取締法
- 麻薬・向精神薬原料は輸入貿易管理令における輸入承認品目なので、輸入時は、経済産業省への承認申請手続きや税関の通関時に確認が必要。
- 麻薬および向精神薬取締法に該当する成分が含まれる場合、輸入等の取扱いにあたり、それぞれの事業所ごとに厚生労働大臣または都道府県知事の免許が必要(麻薬および向精神薬取締法第3条)。
- 厚生労働大臣の輸入許可は、輸入の都度必要になる。
- 相手国発給の輸出許可証明書は輸入日から10日以内に提出し、結果として輸入しなかった場合は、当該輸入許可書を返納する。
- 厚生労働大臣の免許取得の対象者:
輸入業者(医薬品製造販売業許可が前提)、製剤業者、製造業者(同製造販売業許可と製造業許可が前提)、家庭麻薬製造業者(製造業許可が前提)、元卸売業者(薬局か販売業許可であって薬剤師がいる業務所が前提)など - 都道府県知事の免許取得の対象者:
卸売業者(元卸売業者条件に同じ)、小売業者(薬局)、管理者(医師、薬剤師等)など
参照記事↓
参考資料
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