FTA利用状況。

FTA利用状況

 

本日のテーマ

FTA利用状況」を知る。

 

輸出におけるFTA利用率は5割超
  • 日本のFTA締結国・地域へ輸出を行う企業のうち、1ヵ国・地域以上でFTAを利用している企業の比率は51.2%。
  • 半数の企業が、輸出においてFTAを利用している。
  • 特に大企業の利用率は70.5%と高く、利用検討中の企業も合わせるとその比率は83.5%に上る。
  • 中小企業の利用率は大企業を20%ポイント超下回るものの、46.4%と5割に迫る。
  • 利用を検討中の中小企業の比率は大企業より約10%ポイント高く、利用の伸びしろは大企業に比して大きい。
  • 業種別にみると、化学(69.2%)、自動車・同部品/その他輸送機器(67.2%)、石油・石炭・プラスチック・ゴム製品(66.7%)、医療品・化粧品(62.9%)、一般機械(55.7%)などで、FTAがよく利用されている。
  • 化学は2018年度調査では第3位、2017年度調査では第4位と、常に利用率が上位にあり、輸出でFTA利用が活発な代表的な業種。
  • FTA利用を企業が判断する際の関税マージン(関税差=一般関税率-FTA特恵税率)の水準は、FTAを利用中、および利用検討中の企業のうち48.6%が、5%未満の関税差が生じればFTA利用を決断・検討すると回答。

出所:2019年度「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ

 

メモ
  • FTA利用における”原産地規則を満たすための事務的負担”が利用者にとって最大の問題点。
  • 一方で日EUEPAをはじめとする一部協定では、自己申告制度(生産者、輸出者または輸入者が、自ら原産性を証明する制度)による手続き簡素化も図られており、中小企業を中心により一層FTA活用率が高まることを期待。

 

 

参考資料

2社に1社が輸出時にFTA使う、中小企業は利用に伸びしろ:ジェトロ

FTA活用による関税削減可能額 2019年に約1.1兆円:Deloitte

FTA利用が拡大するも、利用企業の多くが問題点を指摘:ジェトロ