小口貨物の輸入手続きについて(米国)(2)。

小口貨物の輸入手続きについて(米国)

 

本日のテーマ

小口貨物の輸入手続き(米国)」を知る(2)。

 

ポイント

米国では2,500ドル未満の小口貨物は略式輸入(informal entry)として扱われ、通常の貨物よりも簡易な通関手続きが適用されます。ただし、繊維製品、その他の制限品目等は略式輸入の対象外です。

 

贈答品

非居住者が米国に郵送もしくは持ち込む場合は、基本的に合計100ドル相当までが免税扱いです。
米国居住者が海外から自分宛に郵送した物は、免税扱いにはなりません。また、複数の受取人宛に贈答品を一つのパッケージにまとめて郵送することはできますが、その場合、包装の外側に”Unsolicited Gift”(依頼品ではない贈り物)と”Consolidated Gift Package“の表示を行い、贈答品の種類、各品目の適正な小売価格、受取人の氏名を明記する必要があります。ただし、各受取人の贈答品の価格は100ドル未満は免税になりますが、一つでも100ドルを超える贈答品があると、貨物全体が課税対象になるため、注意が必要です。

 

職業貨物・引越し荷物

専門職用の楽器やカメラ機材、パソコン等の職業貨物の一時輸入には、ATAカルネATA Carnet)を利用するのが一般的です。引越し貨物は、輸入者が1年以上使用していた家財(Used Personal Effects)は免税対象となります。「フォームCF3299」(Declaration for Free Entry of Unaccompanied Articles)を利用して、米国内に持ち込む中古家財の申請をCBPに行います。 なお、新品の家財は課税される可能性があります。
自動車や二輪車などは、所有者入国と同時に米国に持ち込まれる場合には一時的に免税扱いとなります。当該自動車が、米国の安全基準や排ガス基準に準拠していない場合は1年以内に再輸出しなければなりません。また、米国内で販売することはできません。
基準に準拠していても輸入から1年以内に販売する場合は関税が発生し、取引前に税関で清算することになります。

 

商業用見本品(入国時持込みの場合)
  1. 保税担保による方法(Temporary Importation under Bond: TIB)

    TIBは、関税の代わりに関税の2倍に相当する通関保証(entry bond)をCBPに提出して、一時輸入する制度です。TIBを介して輸入された貨物は、通常は1年以内に米国外に輸出されなければなりません。TIBの適用は特定商品に限られ、輸入者自身の入国手続きとは別に、書類の記入や通関保証の支払い手続きがあるため、比較的煩雑です。TIBを利用して輸入できる貨物は、米国関税率表(United States Harmonized Tariff Schedule)の9813.00.05〜9813.00.75に掲載されています。

  2. ATAカルネの利用

    商業見本品携行の場合、ATAカルネは有効期間内(1年間)に何回でも出入国通関が可能で簡便です。日本では日本商事仲裁協会(JCAA)がATAカルネの発給機関となっています。

 

 

参考資料

小口貨物の通関制度:ジェトロ

一時輸入制度:ジェトロ

 

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