コメの輸入手続きについて。

コメの輸入手続きについて

 

本日のテーマ

「コメの輸入手続き」を知る。

 

ポイント
  • 米の輸入は政府が管理しているため、輸入納付金や関税の納付、輸入の届けが求められる。
  • 植物防疫法、食品衛生法、家畜用の飼料用の場合は飼料安全法にかかる手続きが必要。
  • 届出を行わなかったり、虚偽の届出により米を輸入した場合には、法令により20万円以下の過料に処せられることがある

 

輸入時の規制

1.主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(食糧法)

  • 米は「主要食糧」として政府が輸入を管理しているため、海外から日本へ米を輸入する場合には、食糧法、関税法等の規定に基づき、政府に所定の輸入納付金及び関税を納めること、輸入の届出を行うこと等が義務付けられている。
  • 20トン以上の精米販売事業を行う場合は農林水産大臣に事前の届出が必要。
  • 個人消費目的(販売を目的としない)の場合は、過去1年間の輸入量が100kg以下であれば地方農政局・農政事務所または空海港の植物検疫所などに届出を行い、確認を受けることによって納付金と関税が免除される。

 

2.植物防疫法

  • 農林水産省植物防疫所に検査申請を行う。
  • 検疫有害動植物が付着していない旨が記載された輸出国の植物検疫機関発行の「植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)」が必要(国際植物防疫条約に定める様式による)
  • 検査荷口を特定するための関係書類(B/L、インボイス等の写し)が必要になる場合もある。
  • 植物防疫所での検査の結果、検疫有害動植物の付着が判明した場合は、消毒、駆除、廃棄等の措置が命じられる。

 

3.食品衛生法

  • 販売目的で米を輸入する場合、厚生労働省検疫所食品等輸入届出受付窓口に「食品等輸入届出書」と必要書類(原材料、成分または製造工程等に関する説明書、衛生証明書(必要に応じて)、試験成績書(必要に応じて)を届け出る。
  • 審査の結果、規格基準や安全性の確認が必要と判断されたものには検査が実施される。
  • 審査・検査で同法上問題がなければ、税関への輸入申告時に通関書類とともに、検疫所から発行される「食品等輸入届出済証」を提出。

(注意)

  • 不適格と判断されたものは輸入できないため、輸入者は積戻し・廃棄等の措置を取る。
  • 同法に基づく厚生省告示第370号「食品、添加物等の規格基準」に収載される農産物の農薬残留基準(農薬の各食品中の残留量の限度)には、留意すること。

 

4.関税定率法/関税暫定措置法(関税割当)

  • 「でん粉、同調製食料品(米、小麦、ライ小麦、大麦・裸麦の粉、ひき割りしたもの、ミール若しくはペレットまたはでん粉の1以上を含有するもので、これら物品の含有量の合計が全重量の85%を超えるものに限るものとし、ケーキミックス及び育児食用又は食餌療法用のものを除く)のうち、でん粉が最大重量を占めるもの」は関税割当対象品目のため係る手続きが必要。

 

5.飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(飼料安全法)

  • 飼料用に米を輸入する場合は、飼料安全法の適用を受ける。
  • 飼料の成分規格や製造・使用方法等について、規格基準に適合しない飼料の販売目的での輸入は禁止されている。
  • 輸入者は輸入事業を開始する2週間前までに「飼料(飼料添加物)輸入業者届」を提出、これを用いて飼料を製造するものは「飼料製造業者届」も必要となる。
  • 当該届出は、輸入者の本社住所地の都道府県知事を経由して農林水産大臣宛に行う。

 

 

参考資料

米の輸入手続き:ジェトロ

米麦等を輸入される方へ:農林水産省

植物を海外から日本へ持ち込む場合の規制:植物防疫所

飼料・飼料添加物の製造・輸入・販売業者届出手続き - 独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)

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